出版社内容情報
★★★読売新聞「中川志郎のおすすめ」欄(1997年2月22日)=イヌという動物をトータルに知るという意味では、イヌ科動物研究家として著名な平岩米吉氏の一連の著作がその代表といってよいであろう。その代表的な著書がここにあげた「犬の行動と心理」で、この動物の全体像を鮮明に描き出すことに成功している。(東京動物園協会理事長)★★★東京新聞評(1991年12月26日)=40余年間に60余頭の愛犬を飼育し、その生命の観察記録から、犬の社会、犬の心理などを解明した書。飼育の基礎知識も提供。★★★ダ・カーポ評(1992年1月15日号)=犬へのただならぬ愛情が詰まっている。★★★咲いた評(1997年9月号)=「著者の犬に対する、あふれかえるような愛情が伝わってきて、読んでいて幸せな気持ちになります。まさに目が洗われる一冊です。数ある犬の本のなかでは、これがベストでしょう」★★★ ■■■男性(40歳)=動物愛好家にありがちなセンチメンタリズムを極力排した筆致がいい。それでもなおイヌに対する無類の愛情が行間から読み取れるのは、著者の人柄なのだろう。昨今、類書が多い中、基礎文献としてのステータスをいまだに失っていない。■■■ ●●●本書の特徴=1.著者が40年にわたって飼育した2家系、60余頭の愛犬によって、犬の社会構成を徹底的に究明している。2.従来の実験および理論のみの学説を排し、すべて犬群の自然の行動から、その心理を著者独自の見方によって解明している。3.古今東西の犬に関する研究を網羅し、これを著者の観察と併記してあるので、犬の心理学の集大成となっている。4.著者の貴重な体験によって記述してあるので、学究者には、動物心理学の新生面を示唆し、一般の愛犬家には、飼育に必要な基礎知識を提供している。5.著者は本邦における動物文学の開発者なので、本書に収められた諸篇は、犬の科学であるとともに、そのまま興味つきぬ物語ともなっている。●●● 【主要目次】▲▲第1章・犬はどう思っているか=嗅覚の威力/犬の理解の仕方/通じないお互いの気持/優れた観察力/犬と時間/犬の恐れるもの/犬は推理するか ▲▲第2章・犬の社会=総説/犬の夫婦/犬の親子/家長と順位/順位の変化/領域と所有権/伝達と影響/素質と環境/犬と人間 ▲▲第3章・犬と人の言葉=犬に人の言葉がわかるという説/犬に言葉がわからないという説/言葉の調子と飼主の態度/犬にわかる人の言葉 ▲▲第4章・犬と数学=学者犬の記録/日本の学者犬/犬にかぞえられる数/犬にわかるのは量 ▲▲第5章・犬と音楽=いろいろな歌う犬/歌うのは遠吠えの変形/狼の生活と遠吠え/美しい夜の狼の歌声/コヨーテの夜の合唱/音楽鑑賞への萌芽 ▲▲第6章・犬は肖像がわかるか=序説/彫刻/剥製と毛皮/鏡と動物/鏡/映画とテレビ/絵画と写真 ▲▲第7章・犬は嘘をつくか=動物の世界の嘘/物を隠したり自分が隠れたりする/主人がいないと命令を守らない/知的な偽装行為もある/人間の思いすぎで悪者にされる/境遇により悪質の犬もできる/結び ▲▲第8章・犬は笑うか=ダーウィン以前の記録/作品にあらわれた犬の笑顔/狼や狐も笑う/笑顔とこれに似た表情/犬はどんな時に笑うか/犬はこわい時にも笑う/犬の笑いは原始形 ▲▲第9章・誤られやすい犬の心理=まえがき/ひろった財布を交番へとどけた犬/敵にむかうとき仲間を咬む犬/娘のお産の世話をした母犬/自殺した犬の話/その他の例 ▲▲第10章・犬の帰家能力=伝令犬の行動と方向感覚/シュミットの帰家行動の実験/古代の日本の例/現代の日本の例/中国の例/ヨーロッパの例/世界最高の帰家記録/結び ▲▲第11章・犬の長命の記録=犬の寿命/ヨーロッパの長命犬/アメリカの長命犬/日本の長命犬/長命の要因/犬と人との年齢比較 ▲▲第12章・犬科生態奇聞=重複妊娠/半陰陽/異種間の異性愛/木に登る狐と犬/異常歩行/犬の神経症/ものを言う犬
内容説明
人間の最良の友「犬」を、科学的な眼と、深い愛情によって理解し、実体験にもとづいたわかりやすい記述で解説。
目次
第1章 犬はどう思っているか
第2章 犬の社会
第3章 犬と人の言葉
第4章 犬と数学(学者犬の者)
第5章 犬と音楽(犬は音楽がわかるか)
第6章 犬は肖像がわかるか
第7章 犬は嘘をつくか
第8章 犬は笑うか
第9章 誤られやすい犬の心理
第10章 犬の帰家能力
第11章 犬の長命の記録
第12章 犬科生態奇聞
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