外来種のウソ・ホントを科学する

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  • サイズ B6判/ページ数 320p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784806715337
  • NDC分類 468
  • Cコード C0045

出版社内容情報

英国の生物学者が世界で脅威とされている外来種を例にとり、
在来種と外来種にまつわる問題を文献やデータをもとに検証する。何が在来種で何が外来種か?
外来種の侵入によって間違いなく損失があるのか。
駆除のターゲットは正しかったのか。
人間の活動による傷跡に入りこんだだけではないのか。

英国の生物学者が、世界で脅威とされている外来種を例にとり、
在来種と外来種にまつわる問題を、
文献やデータをもとにさまざまな角度から検証する。

ラクダはどこのものか――
真っ先に浮かぶのがアラビアだろう。
ところが彼の地では、ラクダはどちらかと言えば新参者だ。
ラクダ一族は北アメリカで進化し、南アメリカで多様性を最大限に保持した。
一方、現在も野生のヒトコブラクダがいるのはオーストラリアだけだ。

これは、生物多様性の議論のなかで、
「在来」種と「外来」種を取り上げようとするときに直面する矛盾の典型例だ。
「侵入」生物が引き起こす空恐ろしい話には事欠かない。
英国の庭師を戦慄させる日本からの侵入種、グアム島の野鳥を食べつくした毒ヘビ。

だがわたしたちはほんとうに、
侵入生物を恐れなければならないのだろうか?
管理することはできないのか。
駆除しようとする相手を間違えてはいないのか。
そして在来種は、いつだってみんな「いいやつ」なのか――。

トムソンは、魅力的な語り口で、これこそ肝要だろう、という疑問を探っていく。
移入種のうち、定着することができるのはほんの一部にすぎず、
さらに定着した土地で厄介な問題を引き起こすのは
そのうちのごくわずかでしかないが、それは何故なのか、と。

さらにまた、侵入生物をいたずらに恐れることが、
生物多様性の保全や地球温暖化への対応の障害になりはしないか、
という点も掘り下げる。

〈 原著書評 〉
「侵入種をめぐる科学と哲学を見事な手腕でまとめ上げた1冊」
――タイムズ紙

「つい惹き込まれてしまうほど、挑発的――ケン・トムソンはわたしたちの自然を見る目に、刺激的な挑戦状を送り付けてきた」
――ジョージ・モンビオット(環境問題ジャーナリスト)

「大げさに思われるかもしれないが、本書は生態学の分野における『種の起源』と言ってもいい」
――ブライアン・クレッグ(popularscience.co.uk)

「トムソンは、『外来種=悪』を信奉する原理主義者への皮肉のスパイスをたっぷりと利かせつつ、読みやすい文体で生き生きと立論を進めていく。科学文献からの引用も豊富で、それがまた、彼の論拠に喜ばしい重みを増している」
――ニューサイエンティスト誌


第1章 移動する種(しゅ)
生物種と大陸
残存種、避難圏、そして氷河時代
渡り、海や島を伝う分散
人の手による分散
どれほど長くて不思議な旅だったことか

第2章 在来性のわずかな歴史
「在来」とは何か?
戦争と平和
在来であることの価値
急を要する保護
金の力
本書の今後

第3章 まずは悪いニュースを少々
ミナミオオガシラ──グアムの在来鳥類減少事件
カワホトトギスガイ──五大湖イシガイのミステリー
ギョリュウ──アメリカ南西部の砂漠化植物
エゾミソハギ──大惨事を引き起こす湿地の侵入者

第4章 訴状の通り有罪か?
エゾミソハギ──目立ちすぎが災いする?
ギョリュウ──ほんとうに水を使いすぎているのは誰か?
カワホトトギスガイ──恩恵を受ける生き物たちもいる
それはわかった。だがミナミオオガシラはどうなんだ?

第5章 いいものなら在来種に違いない
英国固有の植生
ノウサギ、アナウサギ、ザリガニ
英国のビーバー
誤解されるディンゴ
カリブのアライグマ
コガタトノサマガエルのこんがらかった物語
攻撃される在来性

第6章 生態学の講義を少々
ニッチ理論を少し
ニッチ理論を検証する
ニッチと侵入
【コラム】「島の生物地理学」理論
外来種と地球規模の生物多様性
【コラム】カウリの物語
歴史から学ぶ

第7章 悪いやつを探せ
どちらかといえば的外れな理論ふたつ
少しはましな理論
【コラム】ロードデンドロン・ポンティクム──在庫一掃セール、1000株につき105シリング
順化協会

第8章 制御不能
外来種と島
大陸ではどうか──「悪魔の爪(デヴィルズ・クロー)」の例
有用な外来種
外来種と法律

第9章 後戻りなし
外来種を最大限に利用する
長い見通し
外来種の進化
侵入された側の進化
氷山の一角

第10章 競技場を均ならすには
意図的導入──ナミテントウの奇妙なお話
園芸家の世界
イタドリ──救世主シラミ見参
旅の道連れ
移住支援
【コラム】英国に移転させるべき生物候補6種

第11章 侵入にまつわる五つの神話
神話その1:外来種による侵入が生物多様性を損ない、生態系の機能を失わせる
神話その2:外来種はわたしたちに多額の損害を与える
神話その3:悪いのはいつも外来種
【コラム】ハイタカとカササギ──現行犯?
神話その4:外来種はわたしたちを狙って野をうろついている
神話その5:外来種は悪者、在来種はいい者

第12章 わたしたちはどこへ向かうのか

謝辞
訳者あとがき
写真クレジット
参考文献
索引


ケン・トムソン[ケン トムソン]
生態学者。
英国シェフィールド大学の動物および植物科学の部門で長年教鞭をとる。
ガーデニングに造詣が深く、デイリー・テレグラフ紙でガーデニングに関する人気コラムを執筆。
本書をめぐってラジオ番組で論争を繰り広げた。
主な著書は、"Do We Need Pandas?: The uncomfortable truth about biodiversity われわれにパンダは必要か─生物多様性についての不快な真実""The Sceptical Gardener: The Thinking Person's Guide to Good Gardening 庭師はなぜ疑いぶかいのか""Compost: The Natural Way to Make Food for Your Gardenコンポストづくり─あなたの庭でおいしい野菜づくり""The Book of Weeds 雑草のすべて"など。

屋代 通子[ヤシロ ミチコ]
兵庫県西宮市生まれ。札幌在住。
出版社勤務を経て翻訳業。
主な訳書に『シャーマンの弟子になった民族植物学者の話』上・下、『虫と文明』『馬の自然誌』(以上、築地書館)、『ナチュラル・ナヴィゲーション』『日常を探検に変える』(以上、紀伊国屋書店)、『ピダハン』『マリア・シビラ・メーリアン』(以上、みすず書房)など。

内容説明

何が在来種で何が外来種か?外来種の侵入によって間違いなく損失があるのか。駆除のターゲットは正しかったのか。人間の活動による傷跡に入りこんだだけではないのか。英国の生物学者が、世界で脅威とされている外来種を例にとり、在来種と外来種にまつわる問題を、文献やデータをもとにさまざまな角度から検証する。

目次

序 ラクダはどこのものか
移動する種
在来性のわずかな歴史
まずは悪いニュースを少々
訴状の通り有罪か?
いいものなら在来種に違いない
生態学の講義を少々
悪いやつを探せ
制御不能
後戻りなし
競技場を均すには
侵入にまつわる五つの神話
わたしたちはどこへ向かうのか

著者等紹介

トムソン,ケン[トムソン,ケン] [Thompson,Ken]
生物学者。英国シェフィールド大学の動物および植物科学の部門で20年間教鞭をとる。ガーデニングに造詣が深く、デイリー・テレグラフ紙でガーデニングに関する人気コラムを執筆

屋代通子[ヤシロミチコ]
兵庫県西宮市生まれ。出版社勤務を経て翻訳業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゲオルギオ・ハーン

26
外来種というだけで住んでいる動植物を駆除する動画やテレビ番組に違和感を持っていたので読んだ一冊。そもそも『在来種』と『外来種』という言葉の定義自体が曖昧なものであり(決まった定義はない)、外来種による被害総額の計算も人間側が無鉄砲に実施した対策・駆除費用、因果関係不明なことも彼らのせいだとして含んでいて動植物たちにとっては理不尽なものだ。そもそも動植物は環境の変化の合わせて住む場所を移すので外来種として敵視すること自体変な話だと思いました。2022/06/29

Nobu A

13
先日読了の「外来種は悪者か?」と共に購入。17年刊行。前著の著者がジャーナリストだけに生物学者が書いた本書がある意味際立つ。共にイギリス在住。ラクダの属性を説いた序章が秀逸。学術名称ではピンと来ない動植物の写真も適度に挿入され、客観的な叙述が理解促進。さすが科学者と言ったところ。国内でも獣害には対策が必要だが、例えば池の水を全て抜き、思い込みの「外来種」を駆逐する行為は考えもの。勉強になった。また、同じ島国の日本も研究環境は似ている。侵入生物学やマスコミに踊らされない教養が必要。ケン・トムソン著書初読。2024/02/08

Toshi

12
外来種=悪い、従って駆除されねばならない、と言う考え方に対し、極めて挑戦的な書である。著者も外来種駆除を全面的に否定している訳ではないが、外来種そのもの、または駆除、防除策の生態に対する影響を十分に分析しないまま、安易な対策に走ることのリスクを問うており、傾聴に値する。我が家のあたりには野生化したインコの群れがいて、朝早く空を飛び回るのも見慣れた風景となった。Life finds a way. 外来種を全て肯定する訳ではないが、生態系は変化していて、その最大の元凶は常に人間なのである。2020/12/18

qoop

6
生態系を乱し自然環境に害を為す外来種…という印象は多くの場合視野の狭い臆見に過ぎず、大きく変化する自然の実相を無視した感傷に過ぎないと喝破する著者。あるがままの生態系という幻想を追うあまり、フレキシブルな自然の構造を排斥する結果につながるのなら、それもまた人為的な自然への介入に過ぎないのかもしれないと思わされた。また、そのように狭隘な視点で環境を捉える視点のあり方/臆見は、著者のいう通り外国人排斥に繋がっていそうで不穏なやり切れなさを感じる。2018/08/21

くろじら

6
外来種とは何か,在来種とは何か,という冒頭の議論から引っ掛かりを覚える.もちろん,外来種と在来種の間に明確なラインを引くことは難しいのだが(先史時代にヒトが運んだ生物は外来種なのか,とか),進化的な時間スケールでの分散まで広げて,在来種か外来種かを分けることに意味はないと主張されても,生物学的にはそうした議論こそ意味がない.一般的な外来種の定義である人の手によって運ばれたかどうか,ということについても議論(批判)しているし,チャールズ・エルトンに対しても辛辣だが,何か根本的にずれている気がしてならない.2017/10/12

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