内容説明
ヴァザーリ『美術家列伝』に対抗しヴェネツィア芸術のために著された論争的対話形式のルネサンス絵画論。
目次
アレティーノ―または絵画問答
ドルチェ、アレティーノ、『絵画問答』―ロドヴィーコ・ドルチェの『アレティーノ―または絵画問答』とルネサンス期のヴェネツィアの絵画論
ピエトロ・アレティーノの美術批評
著者等紹介
森田義之[モリタヨシユキ]
1948年、神奈川県生まれ。東京藝術大学美術学部芸術学科卒、同大学院美術研究科修了。茨城大学教授を経て、愛知県立芸術大学教授。専攻、イタリア美術史
越川倫明[コシカワミチアキ]
1958年、東京都生まれ。東京大学文学部美術史学科卒、同大学院人文科学研究科修士課程修了。国立西洋美術館主任研究官を経て、東京藝術大学美術学部助教授。専攻、イタリア美術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あかふく
2
ロドヴィーコ・ドルチェがアレティーノの口を借りてファブリーニとの対話という形で絵画に関して語った本。主な流れはミケランジェロを相対化し、古典主義の復権を目指すことと、ティッツィアーノの称揚。アレティーノ自身の見解は若干無視されているところがあるようだ。絵画について語るときに詩などの理論が用いられていて、このあたりの「エクフラシス」については訳者による付属論文(「ピエトロ・アレティーノの美術批評」)が詳しい。単純に読むと、問答のやり取りがかなり軽妙で、笑いを催すことも多々ある。愉快な本。2013/04/24