出版社内容情報
手法分析的研究の限界を打ち破る〈四次元的〉音楽論!〈旧世界の偶像〉破壊の後に新たな有機的万物照応の世界を指向するロシア・アヴァンギャルド特有の〈宇宙論的〉哲学は、音楽においても確かに息づいている。
前衛音楽家たちが著した音楽論をひもとき、絵画、哲学、他の芸術分野との関わりを横断的に論じることで、純粋な音楽学的側面からは研究しつくされたとも言われる〈ロシア・アヴァンギャルド音楽〉の新地平を切り開く。
高橋健一郎[タカハシケンイチロウ]
著・文・その他
内容説明
“調和”と“不調和”の二律背反を超えて。前衛音楽家たちが著した音楽論をひもとき、哲学、絵画、詩との関わりを分野横断的に論じることで、純粋な音楽学的側面からは研究しつくされたとも言われるロシア・アヴァンギャルド音楽の新地平を切り開く。手法分析的研究の限界を打ち破る“四次元的”音楽論。
目次
第1章 ロシア・アヴァンギャルド音楽のマニフェスト―ニコライ・クリビンの「自由音楽」論(クリビンの生涯;クリビンの自由芸術論;自由芸術論とアヴァンギャルド芸術の基本原理との照応;クリビンの「自由音楽」の基本概念;自由音楽の音楽学的側面)
第2章 未来派オペラ『太陽の征服』の音楽―ミハイル・マチューシンの有機的音楽論(マチューシンの生涯と基本思想;『太陽の征服』の制作と上演;『太陽の征服』の意味;『太陽の征服』におけるマチューシンの音楽)
第3章 「和歌歌曲」の遠近法―アルトゥール・ルリエーの宇宙論的音楽論(ストラヴィンスキーとジャポニスム;ルリエーとジャポニスム;音楽における遠近法と次元;ストラヴィンスキー『三つの日本の抒情詩』における“二次元化”の詩学;ルリエー『日本組曲』の詩学)
著者等紹介
高橋健一郎[タカハシケンイチロウ]
1972年、札幌市に生まれる。東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程修了。博士(学術)。専門はロシアの言語と音楽。現在、札幌大学地域共創学群教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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