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ロシア・アヴァンギャルドの宇宙論的音楽論―言語・美術・音楽をつらぬく四次元思想

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  • サイズ A5判/ページ数 224p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784801003743
  • NDC分類 762.38
  • Cコード C0073

出版社内容情報

手法分析的研究の限界を打ち破る〈四次元的〉音楽論!〈旧世界の偶像〉破壊の後に新たな有機的万物照応の世界を指向するロシア・アヴァンギャルド特有の〈宇宙論的〉哲学は、音楽においても確かに息づいている。
前衛音楽家たちが著した音楽論をひもとき、絵画、哲学、他の芸術分野との関わりを横断的に論じることで、純粋な音楽学的側面からは研究しつくされたとも言われる〈ロシア・アヴァンギャルド音楽〉の新地平を切り開く。

高橋健一郎[タカハシケンイチロウ]
著・文・その他

内容説明

“調和”と“不調和”の二律背反を超えて。前衛音楽家たちが著した音楽論をひもとき、哲学、絵画、詩との関わりを分野横断的に論じることで、純粋な音楽学的側面からは研究しつくされたとも言われるロシア・アヴァンギャルド音楽の新地平を切り開く。手法分析的研究の限界を打ち破る“四次元的”音楽論。

目次

第1章 ロシア・アヴァンギャルド音楽のマニフェスト―ニコライ・クリビンの「自由音楽」論(クリビンの生涯;クリビンの自由芸術論;自由芸術論とアヴァンギャルド芸術の基本原理との照応;クリビンの「自由音楽」の基本概念;自由音楽の音楽学的側面)
第2章 未来派オペラ『太陽の征服』の音楽―ミハイル・マチューシンの有機的音楽論(マチューシンの生涯と基本思想;『太陽の征服』の制作と上演;『太陽の征服』の意味;『太陽の征服』におけるマチューシンの音楽)
第3章 「和歌歌曲」の遠近法―アルトゥール・ルリエーの宇宙論的音楽論(ストラヴィンスキーとジャポニスム;ルリエーとジャポニスム;音楽における遠近法と次元;ストラヴィンスキー『三つの日本の抒情詩』における“二次元化”の詩学;ルリエー『日本組曲』の詩学)

著者等紹介

高橋健一郎[タカハシケンイチロウ]
1972年、札幌市に生まれる。東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程修了。博士(学術)。専門はロシアの言語と音楽。現在、札幌大学地域共創学群教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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松本直哉

17
ストラヴィンスキーとルリエArthur Louriéが日本の和歌や俳句につけた歌曲の譜例つきの分析が面白かった。西欧のジャポニスムが主に絵画に限られ、装飾的な役割以上でなかった(と言えば言い過ぎか)のに対し、もとの詩の韻律を尊重しつつ独特の和音と旋律で表現する彼らの音楽は、非西欧という点で西欧より日本の芸術の中に、伝統的な機能和声や遠近法を超えた本当に新しい芸術の可能性を見出していたことを示しているように思われる。革命前後の不穏な時代に、政治だけでなく芸術においても、未知への冒険がなされつつあったのだ。2022/08/18

みかん

0
まさかのヴルーベリやフロレンスキイの登場に「!?」となったが、ロシア象徴主義のみならず既存の平均律や幾何学的遠近法、感情表現主体の音楽の構造から脱することを目指したロシアアヴァンギャルドの宇宙論、かなり面白いな…2022/04/02

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