内容説明
残酷と暴力、恐怖と暗黒、悪と未来…映画という科学的メディアに描かれた野蛮な人類の愚行!
目次
第1章 この野蛮なる世界(犬の世界;ヤコペッティインタビュー;モンド映画と『ザ・コーヴ』 ほか)
第2章 ポップ・アンド・バイオレンス(ジョエル・シュマッカーインタビュー;『エンジェルウォーズ』;わがこころのテキサス ほか)
第3章 不健康な精神(『パッション』は『ヘルレイザー』だ;『サウスパーク』と『パッション』;最終報告『エクソシスト』 ほか)
著者等紹介
高橋ヨシキ[タカハシヨシキ]
デザイナー、アートディレクター、映画評論、サタニスト。1969年東京生。学生時代より出版、広告美術関係の仕事に携わり、1999年、雑誌『映画秘宝』にデザイナーとして参加。現在、アート・デレクションを手がけつつ、映画評論活動を展開。ホラー映画を中心に数多くの映画宣伝ビジュアルを担当。『暗黒映画入門 悪魔が憐れむ歌』は初の単独映画評論集となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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harass
63
初読みライター。映画雑誌のコラムや映画評をまとめたもの。「世界残酷物語」の監督ヤコペッティへのインタビューなどなかなか読み応えがある。「ザ・コーヴ」論やコロンバイン高校銃乱射事件の実際や表紙のキャットウーマンの「バットマン・リターンズ」論などいろいろ感心した。ホラー・スプラッタものなど、サブカル志向の映画についてが多く、好きな人にはたまらない内容だろう。掲載されていた「映画秘宝」的なテイストそのものだ。また、B5サイズの時代の「宝島」を思い出した。続編が出ているようでぜひ読みたい。おすすめ。2017/08/19
Kouro-hou
28
一度は休刊した『映画秘宝』の高橋ヨシキ氏のコラムをまとめたもの。2000年初頭から約10年分ということで晩年のヤコペッティのインタビューとその後の追悼記事が一緒の本になっているのが灌漑深い。「世界残酷物語」とそのフォロワー、キワモノだけではなかった先駆者とキワモノ一直線のその他諸々という所謂モンド映画考察がまとまっているのがわかりやすい。「エクソシスト」の元ネタ(原作含む)を探る辺りは人の思い込みや伝聞が全くあてにならない(の一方細かい事を正確に覚えている人もいる)のがよくわかる。それがいい時も悪い時も。2020/03/14
青葉麒麟
15
暗黒なんて銘打っているから、どんだけのゲテモノが出て来るんだ!!って構えてたけれど、何とも理路整然と映画の解説をしていたので安心した。色々目から鱗の章があったけれど、人類愚行の映画史がダークで笑えた。アナキン・スカイウォーカーで始まり、もしかしたらコバルト爆弾で終わるかもしれない未来・・・かなり興味があるわ。観たい映画が又増えた。2013/09/18
くさてる
13
眼力溢れるキャットウーマンの表紙が印象的な一冊。ティム・バートンの映画では「バットマンリターンズ」がいちばん好きな私ですが、この本に収められている評論のなかでは「キャットウーマンという暗黒」が本当に良かった。わたしがキャットウーマンというキャラクターに感じた共感や憐憫やもっとモヤモヤした切なさ、みたいなものの正体を見事に言語化してくれたように感じました。2014/06/02
garth
12
ヤコペッティとフリードキンのところがやっぱり面白いので、次はどっちかで一冊やってほしいのだが。2013/08/04