内容説明
本書は、読者が冷静にがんの本質を見極められるようになっていただくため、発生のメカニズムから快癒の道筋まで、すなわち「がん知識の入り口」を極力わかりやすく記述した。また、がん患者の立場を中心に捉え、私自身の反省も含めて医療側の問題点、医学会が推し進める治療法の問題点、いまだ普遍化されていない治療法などを本音で記述している。
目次
第1章 がんを本音で語る時代が来た―患者の半数は快癒できる
第2章 正しい知識があなたを救う―がんのメカニズムと怖さの正体
第3章 運命は誰にもわからない―がんを見つけるための心がけ
第4章 「最初の一手」の選択が肝心―マニュアルがないがん治療
第5章 手術は「過去の物」なのか?―再発防止のためにできること
第6章 「体にやさしい」がん治療―化学療法の可能性
第7章 食べる人ほどよく治る―がん治療のアフターケア
第8章 本音の対話があなたを救う―医師と患者の理想の関係
第9章 がんに打ち克つ患者学―納得できる人生のために
がん体験談 がんを克服した4組5人の証言
著者等紹介
渡邉寛[ワタナベヒロシ]
1935年東京都目黒に生まれる。1959年に慶応義塾大学医学部卒業後、大学院に進み食道がんの外科学を専攻。1970年、愛知がんセンター外科医長。食道がんの新しい治療法として手術の前に放射線照射と化学療法を併用する合併療法を開発。当時は注目されなかったが、30年後の現在ではこの方法が進行がんに対する標準的治療法となる。1974年から国立がんセンター医長、1994年、同部長。この間、食道がんの手術を約1000人執刀。また「がん転移機構の解析と転移抑制の対策」、「食道重複がんの発生要因と予防に関する研究」など、厚生労働省がん助成研究班の班長を務め、がん全般の研究に励む。同時に高栄養流動食の開発、手術後肺炎の新しい治療法の開発も手掛け、がん患者の診療改善に取り組む。2000年に国立がんセンターを定年退官。現在、国際食道疾患会議事務局長、慶応義塾大学外科客員教授、東邦大学客員教授、老人保健施設:蓮根ひまわり苑施設長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。