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海王社文庫
山月記―朗読CD付

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  • サイズ 文庫判/ページ数 184p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784796405768
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

旅の途中に襲ってきた人食い虎は、あろうことかかつての旧友だった。博学才穎で自信に満ち溢れていた友人・李徴に一体何が起こったのか。虎となった友が語る事の顛末とは―自尊心ゆえに獣に身を落とした友との再会を描く『山月記』、軍人・李陵、歴史家・司馬遷、李陵の友人・蘇武の数奇な運命を描く『李陵』ほか、夭折の鬼才・中島敦の代表作である『名人伝』『弟子』を収録。声優・小野大輔が紡ぐ『山月記』名場面抜粋の朗読CDを封入。

著者等紹介

中島敦[ナカジマアツシ]
1909年、東京生まれ。東大国文科卒。国語と英語の教師などを経て、幾つかの秀作を発表、「光と風と夢」は芥川賞候補となった。1942年、気管支喘息で夭折。多くの作品は死後発表され、その才能が惜しまれた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

バズリクソンズ

19
独特な漢文体の文章が日本語の美しさを引き立てる。当初は山月記のみが目当てだったが、李陵、名人伝、弟子の三作品も中島敦の才能が遺憾無く発揮されている。語注を読まなければ分からない言葉に溢れているが、学びを得る上でとても貴重な読書になった。山月記は僅か13ページの物語であるにも関わらず、長編小説を読み終えた感に匹敵するほど内容が心に突き刺さる。李陵は義理人情をとても良い形で描写されてて、名人伝はなるほどと納得できる完結、弟子は個人的にこの4編のなかで一番のお気に入りで孔子の弟子、子路の性格が暴露される傑作。2022/12/29

辺辺

10
取り急ぎ、表題のみ読了。短いでありながらもその実は結構奥深い。虎になった原因は本人曰く「臆病な自尊人と尊大な羞恥心のせい」だそうで、まあ、もっと簡単に言ってしまえば無駄にプライド高いのがいけないようにも読みとれる。その他の三篇は漢語が難しくていずれ挑戦してみようと思います。それにしても、表紙の笠井さんの絵が眼福で、小野Dの朗読も耳福だな♡勉強になったし、お得な一冊であった。よし、予習したので、これで柳広司のオマージュにいける。2022/08/07

紫苑@低浮上

10
図書館にリクエストして入れてもらう。「山月記」のみ現代文の授業で既読。今ではなかなか見ないような漢語も多く、台詞も漢文調のままだったり、気合いを入れて、解説に加え辞書とも首っ引きで読んだ。全篇それだけの苦労を払って読み通す価値があると思えるのが流石。小野Dの朗読はちょっと淡々とし過ぎかなぁと思った。2015/01/15

ぺんぎん

9
中途半端な才能を持ってしまうと無駄なプライドが生まれてしまうものなのだと思った。技量を磨く努力もせず、俗世間にも交わろうとしないなら、一体どこに居場所があるのだろう。そりゃあ虎になるわ。中途半端な才能を持て余した「山月記」の主人公と、ひたすら弓の技術向上を求め、弓を持たずして撃つ境地に辿り着き、しまいには弓の存在を忘れてしまうほどになった「名人伝」の主人公や、屈辱的な刑を受けて生きる希望を失っても表現する喜びを失わなかった「李陵」の司馬遷が対照的だなと思った。「弟子」の子路の一本気な人柄も好感持てた。2022/11/21

りくう

8
全体を通して難しいものの、表題の『山月記』は短く読みやすい。『弟子』も孔子と子路のやりとりが微笑ましく、途中まですらすらと読めた。しかし、だからこそ最期の凄惨な場面はそれまでとのギャップで一層切なくなった。2014/08/16

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