感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gasparl
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昭和16年に書かれた、川端康成が「小説を書こうとする初学者」に向けた書かれた小説講義本です。正確には「小説の構成要素」と呼んだ方が正しく、小説の作法と本質といった小説とは何かといった総論から、テーマ/プロット/性格(登場人物のキャラクター)/環境(背景)/視点と言った構成要素、最後に小説の形式と文章について述べられています。戦前にここまで創作論がまとめられていたことにも驚きであり、また作者の立場ゆえに偏りはありながらも、小説そのものや小説論についての当時の状況が透けて見えるのが非常に興味深くもありました。2010/11/17