草思社文庫
外来種は本当に悪者か?―新しい野生 THE NEW WILD

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  • サイズ 文庫判/ページ数 389p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784794223999
  • NDC分類 481.7
  • Cコード C0145

出版社内容情報

「この本は、21世紀の環境保護はどうあるべきかという問いに、私なりに答えを探す旅でもあった。
自然を樹脂で固めて保存することはできないし、ましてや過去の自然をふたたび創造することも無理な話だ。
どちらも地球を巨大な動物園にするようなもので、不可能であるばかりか自然に対する冒?でもある。
想像の産物に過ぎない『手つかずの自然』を守ろうとしても負け戦に終わる。
むしろ、外来種の活力と『侵略本能』を活かして自然の再生をめざすべきだろう」
(「はじめに」より)

外来種は駆除すべきだという人間の勝手な生命観に警鐘を鳴らし、
今後の環境保護の指針となる必読書。

内容説明

「手つかずの自然」は想像の産物にすぎない。外来種の活力を活かして自然の再生をめざすべきでは?21世紀の自然保護を考えるための必読書!

目次

第1部 異邦人の帝国(グリーンマウンテンにて;新しい世界;クラゲの海;ようこそアメリカへ;イギリス―イタドリにしばられた国)
第2部 神話とドラゴン(生態学的浄化;よそ者神話;“手つかずの自然”という神話;エデンの園の排外主義)
第3部 ニュー・ワイルド(新しい生態系;都市の荒廃地で自然保護を再起動する;ニュー・ワイルドの呼び声)

著者等紹介

ピアス,フレッド[ピアス,フレッド] [Pearce,Fred]
ジャーナリスト。環境問題や科学、開発をテーマに20年以上、85カ国を取材。1992年から『ニュー・サイエンティスト』誌の環境・開発コンサルタントを務めるほか、『ガーディアン』誌などで執筆、テレビやラジオのコメンテーターとしても活躍する。2011年には長年の貢献に対しAssociation of British Science Writersから表彰を受けた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こばまり

53
確かに地球生成からの長いスパンで考えれば、何を以って外来種かとの思いに至る。局地的、そして恐らく一過性の事象に対して、特定の生物の殲滅を試みるよりも、将来の有機的連鎖に期待しようと、つい本書に賛同してしまうのは、私が切実な利害関係にないからだ。2022/02/11

マエダ

44
基本は外来種のすべてが害になるわけではなく 在来種と外来種の区別すら曖味な世界 最近マイブームの風が吹けば桶屋が儲かる系の本 まだまだ答えのない世界で考えさせられる。2023/01/09

ゲオルギオ・ハーン

26
外来種は本当に悪いものか、というテーマから従来の野生環境に固執するのではなく、在来種と外来種が共存することで生まれる新しい野生環境(ニュー・ワイルド)を受け入れようという主旨の一冊。そもそも外来種が来てしまっているのは地球の温暖化もあるが、人間の活動によるところも大きい(例えば、船のバラスト水の吸入・排出、あとはあからさまに持ってくることもある)。外来種は住み着いて在来種を攻撃するというイメージがあるが、それも偏見で、外来種が環境改善の一翼を担うこともある。2022/09/18

Nobu A

18
フレッド・ピアス著書初読。先日読了「言語接触」の岡ノ谷論文に言及があった本書。16年刊行。啓蒙書。ジャーナリストの研究の賜物。目から鱗の連続。耳目を集めるのは「外来種=悪」の論調。嚆矢は20世期初頭に始まった生物侵入学。そもそも名称から外来種は悪と決めつけている。畢竟、人間の都合で栽培化や家畜化を行い、手を付けていない自然など地球上に存在しない。長大な歴史の中で生物群集が共進化してきた状態。「では、どうしたらいいのか」と答えが見つかった訳ではないが、人為的なものは全て結局人間のエゴなのかとも思う。2024/02/01

Mark X Japan

14
外来種や生態系について、紋切り型の排除や保護といったイメージだけの正義でよいのか、考えさせられる内容でした。物事の本質は、様々な視点から柔軟に捉えることが大切であることを痛感しました。生物の本が、良いビジネス書であると言われているのもよくわかりました。☆:4.02023/04/17

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