内容説明
日本人の涙の源泉とは何か、天皇と皇帝の「玉座」の違いはどこにあるか、十字の文化と卍字の文化の違いとは―?日本人・日本文化をめぐる様々な問いを立て、斬新なひらめきとダイナミックな推論によって、日本的なものとはいかなるものか、それはどこからくるのか、核心に迫る。日本人の特異な精神世界のルーツをもとめて展開される、刺激的なエッセイ集。
目次
第1章 日本的情感とは何か(日本人と涙;ひとり;光源氏が「男」になったとき ほか)
第2章 十字の文化、卍字の文化(ナイアガラの滝と那智の滝;日本の原理主義テロ;十字と卍字 ほか)
第3章 失われたものへの思い(洗礼を受けた武士;「考える人」は何を思うか;銀河と共に西へ行く ほか)
著者等紹介
山折哲雄[ヤマオリテツオ]
1931年、サンフランシスコに生まれる。東北大学インド哲学科を卒業後、東北大学助教授、国立歴史民俗博物館教授、国際日本文化研究センター教授を経て、白鳳女子短期大学学長、京都造形芸術大学大学院長を歴任。現在、国際日本文化研究センター所長。宗教学・思想史的な視点を軸に、幅広い批評活動を展開している
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感想・レビュー
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星辺気楽
1
源氏物語が出てきたり、親鸞が出てきたり、日本史を通して日本人の情感にせまります。面白かったです。2017/10/11
liebe_florelle
0
ちょっと求めていた系統とは違って今現在している調べものの参考には向いてなかった。宗教方面から絡めた話はまあまあ面白かった。2021/09/05
原玉幸子
0
宗教関連の批評家のエッセイですが、エッセイが故に解説が難しいです。情感が何からきているのかを言述することはなく、美術や詩歌に関しては教養的でありながらも、個人の体験談の域は出ておらず、出来れば、批評しつつ体系的網羅的に日本人の情感に言及して貰いたかったです。(●2015年・冬)2020/01/03