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中国現代化の落とし穴―噴火口上の中国

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  • サイズ B6判/ページ数 437p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794211750
  • NDC分類 332.22
  • Cコード C0033

内容説明

「現代化のショーウィンドウ」上海の繁栄の背後には、いまにもマグマが噴きだそうとしている火山さながらの現実が隠されている。汚職腐敗の横行、拡大する貧富の格差、社会的モラルの喪失。中国の気鋭の女性経済学者が、1978年からはじまった改革の20年を検証。こんにちの中国社会の深刻な矛盾は、「権力の市場化」を起点とし、政治体制の改革を一顧だにしなかった跛行型の改革に由来すると鋭く分析して内外で高い評価を得ながら、のちに国内で発禁処分となった問題の書である。当局のとった厳しい措置は、著者の指摘がいかに核心をついたものであるか、そして中国政府がいかに切迫した危機感を抱いているかを如実に示すものといえる。

目次

序章 改革は中国になにをもたらしたか
第1章 株式制改造―社会主義の無料ランチ
第2章 「開発区用地囲い込み運動」の結末
第3章 国有企業改革の失敗
第4章 レントシーキング活動(腐敗)の氾濫
第5章 現代中国の資本の原始的蓄積
第6章 経済におけるモラルの崩壊
第7章 拡大する貧富の格差
第8章 人口問題、失業、犯罪
第9章 農村社会の変化と地方マフィア勢力の台頭
第10章 ブラック・エコノミーと黒社会の勃興
第11章 社会構造の変遷についての総体的分析
結び 改革の得失を収支決算する

著者等紹介

何清漣[カセイレン]
1956年、中国湖南省生まれ。湖南師範大学卒業。上海・復旦大学で経済学修士号取得。湖南財経学院教授、深〓市共産党委員会宣伝部勤務ののち、『深〓法制日報』記者・編集者。中国社会科学院公共政策センター特約研究員でもあった。97年、本書のもととなる『中国的陥穽』を香港で出版。98年、内容の一部を削除し、題名を『現代化的陥穽』と改めて中国で出版、ベストセラーとなる。第一回民間学術選考活動の「98年度中国10大良書」、長江読書賞の“読者賞”を受賞したが、その後に書いた論文が中国共産党体制の政治タブーに触れたことから、2000年、当局によって同書が発禁処分となる。常時監視をはじめ、さまざまな迫害を受けた何女史は、01年、中国を離れて米国に渡る。現在ニューヨーク在住

坂井臣之助[サカイシンノスケ]
1941年、東京都生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業。共同通信社入社。2度の香港特派員、編集委員兼論説委員を経て現在、東海大学非常勤講師

中川友[ナカガワトモ]
1955年、京都市生まれ。東京外国語大学中国語学科卒業
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