内容説明
本書は、生命の歴史と進化の原理について、世界に名高い古生物学者が解明した古典的名著である。生物進化の多様な様相と、人間の目的・価値・義務を改めて考察し、人間とは何かを新たに問う。
目次
第1部 進化の過程(地質学上の時代区分;生命の起原;化石記録の概要 ほか)
第2部 進化の解釈(究極の問題;指向進化=定向進化と傾向;進化における便宜主義 ほか)
第3部 進化、人間性、倫理(自然における人間の地位;倫理の探究;知識の倫理と責任の倫理 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gachin
3
総合説の立役者の内ほぼ唯一の古生物学者だけあって、古生物学に軸足を置きつつ進化に関して射程がとても広い。今読んでも概念レベルでは充分に有用。一方で、現代では目もくれなくなってしまった古い概念にも触れていて勉強になる。適応放散や量子進化で有名な筆者だが、本書では「進化史におけるニッチの置換」を強調している。第3部では倫理を扱っていて、僕自身興味のある内容ではあるが、進化学を援用するロジックが雑すぎて内容が頭に入って来なかった。激動の時代の研究者なので、トラウマレベルの潰しておきたい何かがあったのだろうか?2020/02/16