われわれはなぜ死ぬのか―死の生命科学

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  • サイズ B6判/ページ数 222p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794207616
  • NDC分類 460
  • Cコード C0045

内容説明

生命の歴史についてはよく語られてきたが、死の歴史についてはこれまでほとんど語られてこなかった。生き残りをかけた生命の進化は、同時に死の機構をも進化させてきたのだ―。なぜ老化がおこるのか、死は生命にとってどのような役割を果たすのか?死の本質に迫る。

目次

第1章 死―見るもおぞましきもの
第2章 人間はいつ死を知ったか
第3章 生の終わりの多様性
第4章 死を考えるための生命の歴史
第5章 死の起源と進化
第6章 細胞分裂と細胞死
第7章 性と死
第8章 死に向けて時を刻む
第9章 すりへってゆく生命
第10章 死とは何か

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

そふぃあ

22
私たちはなぜ死ぬのかについて、主に細胞に焦点を当てて書かれている。そしてやはり死を扱うからか、哲学的な語り口でもあった。私はテロメアが尽きると死ぬのだと思っていたが、ネズミの方が人間よりが5〜20倍長く、テロメアと寿命の関係性が確かとは一概には言えないということで、勉強になった。私は死について哲学的に考える事はよくあるけど、生物学的機構から考えることも有意義だと思った。36億年の命の歴史は長いのか短いのか。2018/06/17

fishdeleuze

19
それにしても、死というのは様々な様相を持つものだと感じる。本書は生命科学者による、主に細胞レベル、分子レベルにおける死があらわされていて、その死生観で印象的なのは、死は生を支えるためにあるものだという主張だろうか。線虫を例にあげて、細胞の増殖・合成における細胞死の役割をあげ、死が生を支える様子を示す。薄く、読みやすいので、生命科学を概観・導入するのにいい。また性と死、有性生殖の意義、体細胞と生殖細胞についてなど興味深く読んだが、欲を言えば、もうすこし詳しく読みたい気もした。2017/08/25

月をみるもの

18
なぜ死ぬのか?と問われれば、理由は飢えとか寒さとか事故とか病気とか失業とか失恋とかいろいろあるだろう。が、この本のテーマは(そういう外部要因がなくても)やがてすべての多細胞生物が死ぬ(=寿命がある)のはなぜか?という問いだ。個々の細胞の寿命は「白血球は12時間、赤血球は12日、神経細胞は120年」とまちまちで、いまこうしている間にも、自分の皮膚で腸で血液で、あの複雑な細胞分裂のプロセスがすすんでいる。そして運よく片割れを見つけた生殖細胞以外の細胞は、39億年前から連綿と続いてきた流れの端点として死を迎える2018/01/14

マイケル

15
かなり難解なサイエンス本。図があった方が分かりやすい気がするが、図や化学式が載っていると敬遠する読者がいるので載せられないと以前読んだ「生と死が創るもの」に書いてあった。生物の死の前に多くの細胞の死があること、ヒトもその他の生物同様、細胞で出来ていること、36億年という長大な時間経過と遺伝などから生と死を考える本。「人間は死を私物化して意のままに支配し、限りなく傲慢になるであろう」と著者。バラモン教による「零の発見」は先日観たSF映画「ゼロの未来」を思い出す。Zero must equal 100%.2020/11/19

frosty

14
半分くらいでちょっど断念……けど、読みたかったところは読めたし、一応読了にはなるのかな? と疑問に思いつつ、登録してしまう、という(笑) もう少し大人になったら、もう一度読むかもな~2016/01/12

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