内容説明
ハリウッドでの成功は、ディズニーに孤独と多くの敵をもたらした。そこへFBIから願ってもない申し出が舞い込む。FBIのブラックリストへの協力、労組つぶし、出生の秘密…ウォルトの夢の王国ははたして実現するのだろうか。ウォルト・ディズニーの真実を描きだす力作評伝。
目次
10 ストライキ!
11 モハカル村コネクション
12 FBIへの協力
13 非米活動委員会とブラックリスト
14 新しい方向へ
15 ニュー・フロンティアの王様
16 ディズニーランド―過去への前進
17 最終目的地
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ムーミン2号
5
時代を追ってディズニーの映画制作に伴う苦労(特に資金面)やそれがもたらす神経症的な症状、あるいは興行的な成功や失敗を丹念に描いている。ディズニー作品にある「陰」の部分が、ウォルト自身の内奥から表出されたものであることが伺える評伝で、何もFBIの活動をのみクローズアップした書ではない。1980年代以降のディズニー作品は、1930~50年代にウォルトが制作に情熱を傾けた作品群ほどには(画も含めて)実はあまり馴染めずにいる。もう、ウォルトが亡くなって半世紀以上になるが、彼の遺志の継承はどうなんだろう?2018/05/18
Gen Kato
2
読んでいて渋面になるしかない自社社員への搾取と圧制(本人は当然もしくはよかれと思ってる)、FBIとのつながり(本人は以下同)。大人になりきれないまま権力だけを握るとこうなっちゃうのか。おもしろかったけど胃が重くなる評伝。2022/05/03
てまり
1
下巻に入ってもしょっちゅう資金難に陥ってるのでびっくりした。もはや誰もが知る巨大スタジオの主となったウォルトを描写する著者の筆はますますスピーディーで冴えている。あの高尚なアニメ『ファンタジア』制作のゴタゴタによりなぜかスタジオの女性従業員の水着コンテストを開くまでのクソな展開、自宅のでかい電車模型での自損事故、メリー・ポピンズ原作者との約束を秒で反故にするなど、クズなのにかわいそうでかわいらしいウォルトの姿が魅力的。亡くなるところ、なんだかんだ妻にも兄にもそこそこ理解してもらえたんだなと泣いてしまった。2022/06/16
まつ
0
上下巻読了。ディズニーランドにあるミッキーと手を繋いでいる銅像のイメージとはだいぶ違う「ウォルトおじさん」が書かれています。でも人は色々な側面を持っているものだし世界的に名の知れた人物であり、作られている芸術的作品をみれば非凡であって当たり前なのかもな。。と思わされます。2015/06/20
水無月十六(ニール・フィレル)
0
この本を読んで、ディズニー映画を見る目が変わりました。純粋に作品を楽しみたい人は読むのをやめましょう。より深みに行きたい方にはオススメです。2013/04/26