内容説明
福島の原発事故の前年まで、原子力安全・保安院に8年間参画した経験をいかに振り返るのか。そして事故後も「再稼働反対」に与しない真意とは―。三・一一以後だから、知識人は「想定」しなければならない。終わらない震災、急速に更新される科学、文系廃止に対峙する大学、揺らぐ生と死の倫理などについて、広い歴史的視野と深い知性で、流れに抗して書き記す。
目次
第1部 歴史の窓から見える“科学”(科学・技術の戦後七十年;科学の技術への接近と社会的責任 ほか)
第2部 三・一一以後の“安全”とは(技術の継承と将来への展望;安全と安心 ほか)
第3部 “大学”の過去・現在・未来(大学の変貌;競争的環境と学問 ほか)
第4部 “生死”を見つめて(「死後」のあり方;死後の世界 ほか)
著者等紹介
村上陽一郎[ムラカミヨウイチロウ]
1936(昭和11)年、東京生まれ。科学史家・科学哲学者。東京大学名誉教授。国際基督教大学名誉教授。文理を越境し、明晰なセンスで日本の科学史・科学哲学を牽引している。安全とリスクをめぐる総合研究として「安全学」を提唱。2015年に瑞宝中綬章を受章、広島市立大学名誉博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。