内容説明
体育教師、スポーツ研究者や学生たち、そしてスポーツをしている女性たちに向けて、スポーツとジェンダーをめぐる言説を読み解く入門書。
目次
第1章 あるフェミニストの研究遍歴
第2章 カテゴリー的研究から関係論的研究へ
第3章 フェミニスト・カルチュラル・スタディーズ―その可能性
第4章 身体の意味
第5章 フェミニズム研究を「行う」ということ
第6章 リベラルな行動主義からラディカルな文化闘争へ
著者等紹介
ホール,アン[ホール,アン][Hall,M.Ann]
アルバータ大学名誉教授(カナダ)、デ・モントフォート大学客員教授(イギリス)。クィーンズ大学で体育学を学び、アルバータ大学で修士、イギリスのバーミンガム大学でPh.D.を取得、スポーツにおける女性をテーマに広範囲な著作活動を続け、多数の国際会議で発表を行っている。また彼女は数種の学会誌の編集委員を務め、ミネソタ大学出版局の『スポーツと文化シリーズ』の共編者でもある。1998年には、ノルウェースポーツ体育大学より名誉学位を授与された
飯田貴子[イイダタカコ]
帝塚山学院大学教授。女性学・スポーツとジェンダー
吉川康夫[ヨシカワヤスオ]
帝塚山学院大学助教授。西洋近世哲学
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感想・レビュー
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katoyann
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スポーツをフェミニズム理論及び社会学理論に基づき分析した、スポーツのジェンダー研究に関する入門書。スポーツは男性の支配を正当化する家父長制的なイデオロギーとして社会的な役割を果たすとされ、女性アスリートの実践は、そうした男性支配に対する文化的抵抗を意味すると解釈されている。フェミニズムの中では、スポーツ研究はスポーツそれ自体が男性的であるが故に遠ざけられてきたが、スポーツが社会の権力構造に及ぼす影響力を相対化し、ジェンダー平等を目指すためにもフェミニストは能動的にスポーツ研究に関わるべきだとしている。2024/02/16