内容説明
菜の花やキャベツ畑、春の野原をヒラヒラと舞うモンシロチョウ、この名を聞いただけで、どんな蝶知らずの人でも、幼い頃に親しんだ童謡のイメージを想い浮かべるのではないでしょうか。本書はふとしたことからこのチョウと出会い、以後十数年にわたってそれと取り組んできた著者の研究の軌跡である。
目次
第1章 モンシロ王国の言葉
第2章 まぼろし色の花嫁衣装
第3章 雄の日課表
第4章 知恵をしぼる雄
第5章 かしこく振る舞う雌
第6章 娘から母への心変わり
第7章 雄の心を見抜く雌の眼力
第8章 心変わりのメカニズム
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mimm
2
てっきり蝶の求愛駆け引きを解いていく、雑学系の本かと思って手にしたら甘かった。モンシロチョウがいかにして子を残していくか、研究された科学書です。圧殺、解剖、生体実験…妄想に近い想像力を発揮して、何度いやーと叫んだことか。決して科学する人にはなれないと思い知った一冊でした。若い人を科学の世界へ誘うため、できるだけ分かりやすい文言が用いられており、なおかつ飽きないよう配慮もされております(なのに専門的な第八章は理解できなかった…悔しい)古い本なのに図書館現役なのは、それだけ素晴らしい本なのかもしれません。2015/01/12