出版社内容情報
つかみ難い神道の全体像を主体・回路・情報というシステム的観点から捉えることで,神道の起源,仏教・道教・儒教との習合分離,天皇制と国家神道,生活のなかの神道,東アジアのなかの神道など多様な問題群に見通しのよい整理と理解を与える。
神道という概念は、きわめて曖昧である。古代からの神祇制度と神社が、その重要な要素であることは間違いない。神あるいは神々に対する信仰であることも確かである。だが、具体的にどんな教え、儀礼、あるいは信仰内容を持ったものが神道かということになると、なかなか明確な表現は困難である。神道を神社神道、教派神道、民俗神道に区分する試み、あるいはこの他に皇室神道、国家神道、神道系新宗教などの概念を加える試みもなされてきた。しかしながら、その相互関係は必ずしも明確ではなく、議論すべきことは多い。こと民族信仰と神社神道との境界線は難しく、極端な場合には、日本の伝統的な宗教民俗は、すべて神道であるという主張さえある。(「神道という宗教システム」より)
・「神道宗教」99.4 山本 毅氏評
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【関連書籍】
『 デーダブック現代日本人の宗教 【増補改訂版】 』 石井研士著 (定価2520円 2007.4月)
『 神、人を喰う 人身御供の民俗学 』 六車由美著 (定価2625円 2003)
『 一つ目小僧と瓢箪 』 飯島吉晴著 (定価4410円 2001)
内容説明
私たちにとってもっとも身近でありながらもっとも曖昧な宗教―神道。しかしそこには膨大な思索の蓄積があり、歴史的にも重要な役割を演じてきた。神道の起源、仏教・道教・儒教との習合隔離、神社と祭り、天皇制と国家神道…、その歴史を「宗教システム」の変容として、30のキーワードでたどり、日本人にとっての「カミ」の姿を浮き彫りにする。
目次
序章 神道とは何か
1 古代―神道のあけぼの
2 中世―習合する神々
3 近世―自画像を求める神道
4 近現代―近代化に向かいあう神道
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