青弓社ライブラリー<br> 機械=身体のポリティーク

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青弓社ライブラリー
機械=身体のポリティーク

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  • サイズ B6判/ページ数 262p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784787232670
  • NDC分類 704
  • Cコード C0336

内容説明

インターネットに代表される「身体拡張原理としてのテクノロジー」の進展は、そこにいながらにしてすべてが可能であるかのように錯覚させ、私たちの身体感覚を希薄化させている。その一方、“失われた理想の身体像”へのあくなき欲望を昂進させつづけてもいる。この両義的状況にある現在をふまえて問うべきは、私たちは表象の領域で「多様な力学の結節点としての身体」をどのように夢見てきたのか、である。人造人間文学と優生学に密輸入される身体、映画=複製技術で差異化しつづける身体、“怒れる若者”映画/文学で翻弄される女性身体、『PLUTO』で破壊されるロボットの身体…。映画・文学・アニメ・マンガなどの領域で描かれる身体に焦点を当て、それに作動する多様なメカニズムを解読して、私たちがもつ生‐政治への欲望を明らかにする。

目次

第1章 モダニズム文学と「破砕される身体」―江戸川乱歩・葉山嘉樹・宮沢賢治
第2章 マッド・サイエンティストの子供たち―昭和初期の人造人間文学と優生学
第3章 瀧口修造の手―シュルレアリスムの「機械」のために
第4章 “差異”の身体=機械学―藤枝静男『空気頭』論
第5章 光の使者=成瀬巳喜男―『鶴八鶴次郎』論
第6章 日本の“怒れる若者”と女性身体をめぐる闘争
第7章 ロボット物語における記憶と死―『プルートゥ』試論
第8章 ピグマリオン神話の現在形―押井守『イノセンス INNOCENCE』の向こうに

著者等紹介

中山昭彦[ナカヤマアキヒコ]
1959年、山形県生まれ。北海道大学教員。専攻は日本近現代文学、日本近現代文化、日本映画

吉田司雄[ヨシダモリオ]
1957年、東京都生まれ。工学院大学教員。専攻は日本近代文学、文化研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

fantamys

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機械と身体の微妙な距離感2015/05/09

肉ちゃん

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第二章のマッドサイエンティストの話が面白かった。サイボーグものでマッドサイエンティストが求めるものは母体無き胎児、母性という「自然」なものの排除、人間の機械化。女性のジェンダーは出産という機能をはぎ取られたサイボーグ物語の中で、薄くなっていく。しかし、それはサイボーグそのものにジェンダー性を付与するとも言えるかもしれない。もっとも、外面などが男性であればそれは十分攪乱されるであろうが。また、子どもは「授かる」ものから「作る」ものへと変容する。より身体は、機械的に調整され、それは生まれる前から始まっている。2013/07/04

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