出版社内容情報
夫が妻を刺し殺し、妻が夫に毒を盛る。三角関係、愛人をめぐるいさかい、恋の破局が招いた悲劇、痴情のもつれによる殺人。怨念、愛憎、嫉妬、猜疑心……。人の理性を失わせ、愛する/愛した人の殺害へと駆り立てる感情の機微を解剖する。
序
1 エリザベス朝と十八世紀の情熱の殺人
(1)エリザベス朝の悲劇、トマス・アーデン殺人事件(一五五〇年、ファーバーシャム)
(2)エリザベス女王が「片棒をかついだ」殺人事件(一五六〇年、オックスフォードシャー)
(3)殺した夫の生首に口づけ――キャサリン・ヘイズ事件(一七二五年、ロンドン)
2 毒薬を一服
(1)ルイ十四世の宮廷を巻き込んだ毒薬殺人事件(一六七九年、パリ)
(2)父親に砒素を盛ったメアリー・ブランディ(一七五一年、ヘンリー・オン・テムズ)
(3)若い家庭教師に惚れて妻を殺害――プラスラン公爵事件(一八四七年、パリ)
(4)訣(わか)れた愛人を毒殺したマドレイン・スミス(一八五七年、グラスゴー)
3 永遠の三角関係
(1)クロス博士と触媒効果(一八八七年、ドリプシー)
(2)「不可能な殺人」――アデレード・バートレット事件(一八八五年、ヴィクトリア)
(3)姦通で絞首台に送られかけたメイブリック夫人事件(一八八九年、リバプール)
(4)アメリカの痴情殺人事件
(5)入れ墨を剥いだバラバラ殺人――グルデンズッペ事件(一八九七年、ース・エリス事件(一九五五年、ロンドン)
(3)妻の身体を切り刻んだド・カプラニー事件(一九六二年、カリフォルニア)
7 二十世紀後半の情熱の殺人
(1)仕組まれた自動車事故――レッド・ミニ殺人事件(一九六七年、レディング)
(2)一流女子校の女校長の犯罪――ジーン・ハリス事件(一九八〇年、ニューヨーク)
(3)生徒を唆して夫を殺害させたパム・スマート事件(一九九〇年、フロリダ)
陪審考――訳者あとがき(二木麻里)
内容説明
なぜ彼/彼女はかつて愛した人を殺すにいたったのか?―夫が妻を刺し殺し、妻が夫に毒を盛る。三角関係、愛人をめぐる諍い、痴情のもつれによる殺人事件。愛憎、嫉妬、猜疑心…。人の理性を失わせ、殺人へと駆りたてる感情の機微を解剖する。
目次
第1章 エリザベス朝と十八世紀の情熱の殺人
第2章 毒薬を一服
第3章 永遠の三角関係
第4章 セックス殺人事件
第5章 二十世紀初頭の情熱の殺人
第6章 冷血な痴情殺人
第7章 二十世紀後半の情熱の殺人