島崎こま子の「夜明け前」―エロス愛・狂・革命

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  • サイズ B6判/ページ数 350p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784784509287
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0023

内容説明

こま子との愛を断った藤村は、『夜明け前』の執筆へと向かう。別れたこま子は京大社研の学生たちに連帯して革命と抵抗世界へと突き進む。野間宏の描いた「京大ケルン」の悲劇的世界が、その先に展開した。知られざる資料や書簡を駆使して描いた近代日本暗黒の裏面史。

目次

第1章 アベラールとエロイーズ(文明史的な愛;切れ者学者と聡明な美女;淫乱の物語 ほか)
第2章 こま子の「夜明け前」(愛の逆説;叔父と姪のエロス愛;たぎる創作意欲 ほか)
第3章 「狂」の世界(姉を通して知った父;父と一体的だった姉・園;時代と闘った父への憧憬 ほか)

著者等紹介

梅本浩志[ウメモトヒロシ]
1936年滋賀県大津市生まれ。1961年京都大学文学部仏文科卒業。在学中「学園評論」を復刊、編集長。同年時事通信に入社。記者、編集委員。1996年退社。時事通信社在社中には、同社での業務とは別に、海外ルポを中心とする独自の取材活動を展開。現在フリー・ライター
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感想・レビュー

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やまはるか

2
 図書館本。藤村の「新生」に登場する節子は叔父である主人公とのエロス愛を引き裂かれて台湾の叔父のもとに引き取られ物語は終わっている。数年で日本に戻った実名「島崎こま子」の人生が描かれている。夜明け前の成功で大家となった藤村は実に弱く、行倒れるまでに貧するこま子は強靭に生きている。藤村と親しかった河上肇が治安維持法で検挙された獄中で「夜明け前」の些末な描写に文句をつけているのも興味深い。夜明け前には確かにそんな個所があったような気がするが気のせいかも。再読時には吟味しようと思う。2019/08/27

yoyogi kazuo

1
余計な(?)海外の記述があったり、ところどころ勇み足とも思える考察も交じっているが、島崎こま子の生涯と藤村の宿命的な作家の業に迫った力作。参考文献に挙げられている西丸四方、伊東一夫らの著書に直接あたってみたい。2022/02/05

qv-yuh

1
アベラールとエロイーズの挿話は、言わずもがなと思う。2013/05/12

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