内容説明
いまや、大都市のサラリーマンが平日に家族と持てる時間は絶望的なまでに少ない。他方、これまで家庭にしばられる事の多かった女性の社会進出への希望と期待が高まっている。一方では、「時間を有効に使いたい」という声にこたえて、「時間」を売りものにする産業や、「時間」にしばられない新しい雇用のスタイルが話題を集めている。本書では歴史的論文から応用例まで、実証的な8論文を選んだ。
目次
第1部 時間地理学の基礎(地域科学における人間)
第2部 現在―家族と都市生活(アメリカ女性の状況―時間地理学からの考察;時空間収支、公共交通および空間選択;子供時代の環境と時間の編成)
第3部 過去―都市社会史への適用(19世紀における郊外世帯の活動パターン;生産プロジェクト・家族プロジェクト・自由時間プロジェクト―19世紀アメリカ合衆国諸都市における個人と社会の変化に関する時間地理学的視角)
第4部 未来―予測とプランニング(個人活動プログラムの時間地理学的シミュレーションモデル;活動の構造と日常的移動の発生―二つの将来シナリオ)