内容説明
子どもたちに伝えたいのはほんもののうつくしさ。アール・デコの流れをくむオリジナル・イラスト。日本版(岩波書店版/瑞雲舎版)でカットされた5点を収録。この本は赤い表紙の「ちびくろ・さんぼ」の原書です。
著者等紹介
バナーマン,ヘレン[バナーマン,ヘレン][Bannerman,Helen]
1862~1946。イギリスに生まれる。マデイラ島で幼年期を過ごし、10歳で帰国。その後、医師と結婚してインドに渡った。自分の子どものために書いた『The Story of Little Black Sambo』が1899年にイギリスで出版され、やがて各国で刊行されたが、絵やテキストを改編したものが多い。日本では1999年に径書房が原書を刊行した
ドビアス,フランク[ドビアス,フランク][Dobias,Frank]
1902~?オーストリアに生まれる。ウィーンで美術を学び、16歳のとき、名作『リリオム』の舞台装置のコンクールで1等に入賞。映画の仕事などを経て、1924年ごろアメリカに帰化。『LITTLE BLACK SAMBO』をはじめ、おおくの絵本にイラストを描いた。ドビアスが影響を受けたアール・デコは、近年、再評価され、芸術作品として高い評価を受けている。没年は不明(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yomineko@猫と共に生きる
59
虎のバターで有名なお話。パパの名前はジャンボ。ママはマンボ。発想がとても面白かった。怖い虎に出会う旅に洋服や靴、傘まで奪われるサンボ😢だけど、虎のバターを使ってママが焼いたパンケーキが本当においしそう!!!サンボは169枚食べたんだって🥞2024/04/10
tera。
34
一度は絶版になった「ちびくろ・さんぼ」と、こんなに素敵な絵本になってまた会えた事が嬉しい。アール・デコの流れをくんだイラストらしいのだけど、そういった事には詳しくない私が見ても、この鮮やかな色使いがこの小さな絵本の楽しさをとても良く伝えていると思う。今読んでもこの絵本のどこが発売禁止に繋がったのかが判らなかった。 表紙カバーを捲ると「LITTE BLACK SAMBO」とあり、こちらの方が表紙のイラストとよく合っている気がした。バターの件は大人には懐かしく、子供には驚きなんじゃないだろうか。2014/05/11
こりんご
32
《この本は赤い表紙の「ちびくろ・さんぼ」の原書です》「書店ガール」きっかけであれこれ調べてみると、様々な形で出版された多くの「LITTLE BLACK SAMBO」がありました。一時期問題になったこの本を私も昔読んだはず。ところがどの本かは憶えてなかったので、今回は原書と書かれたものを選んでみました。おぼろげだったストーリーが分かってスッキリ!ドビアス氏の絵はカラフルで可愛くって、とても気に入りました。今月誕生日の姪にプレゼントしようと思います。そしたら時々貸してもらえるかなぁ~(*^^)ゞ 2015/07/22
小夜風
31
【図書館】子どもの頃に読み親しんだ岩波版の「ちびくろさんぼ」と、こないだ読んだ赤い表紙の瑞雲舎の「ちびくろさんぼ」では挿し絵が改変されたりカットされたりしているそう。この径書房版では原作を忠実に再現しているそうです。印刷のズレ等も修正しない拘りよう。へえ~って感心しながら読みました♪2015/05/07
ヒラP@ehon.gohon
30
かつて、この本が図書館から締め出された「悪書」扱いされた事を知っている大人はどれだけいるでしょう。何でも「サンボ」という言葉が黒人を蔑視した差別用語だという理由からでした。 カルピスのシンボルマークの「クロンボさん」も、同様にすがたをけしました。(「クロンボ」も差別用語らしいです) 「ピノキオ」が、肢体障害者を揶揄した作品だと、姿を消した時代もありました。 絵本本来の純粋さを的確に鑑賞してこそ、真のノーマライゼーション打と思うのですが、どうしても感慨深く手にしてしまいました。 2024/02/09