内容説明
戦争は補給を考えずにおこなうことは、絶対に不可能である―第二次大戦では連合国、枢軸国を問わず、各国の商船が戦争のために徴用されて献身的に働いた。北大西洋航路の豪華客船は軍隊輸送船に病院船、あるいは航空母艦に変身した。特殊な環境のもとで活動する商船たちの知られざる戦いを描いた話題の海戦記。
目次
高速豪華客船ルシタニア号撃沈の波紋―第一次大戦のアメリカ参戦を決定づけた撃沈事件
巨船ブリタニック号沈没の真相―同じく悲劇に遭遇したタイタニック号の姉妹船
ハリファックス市街壊滅―戦時輸送船が引き起こした史上最大の火薬爆発事件
貨客船常陸丸（二世）受難の記録―ドイツ仮装巡洋艦に捕獲された日本商船の悲劇
アセニア号事件―第二次世界大戦最初の商船の犠牲
客船ランカストリア号の悲劇―悲劇の真相の公表は西暦二〇四〇年
豪華客船エンプレス・オブ・ブリテン号の最後―第二次大戦で戦没した世界最大の商船
輸送船淡路山丸の最後―太平洋戦争の商船犠牲第一号
病院船氷川丸の航跡―奇跡的に生き残った日本唯一の外洋大型客船
商船改造航空母艦の大活躍―さまざまな種類の艦船を改造して造られた航空母艦〔ほか〕
著者等紹介
大内建二［オオウチケンジ］
昭和１４年、東京に生まれる。３７年、立教大学理学部卒業後、小野田セメント株式会社（後の太平洋セメント株式会社）入社。中央研究所、開発部、札幌支店長、建材事業部長を歴任。平成１１年、定年退職。現在、船舶・航空専門誌などで執筆。「もう一つのタイタニック」で第４回海洋文学大賞入賞
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感想・レビュー
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スー
19
50第一次世界大戦から第二次世界大戦で沈んだ主要な輸送船と空母や仮装巡洋艦に改造された輸送船と戦時輸送船についての本です。タイタニック号の姉妹艦ブリタニック号は魚雷で沈んだと思ったら機雷だったのですね。仮装巡洋艦はドイツのお家芸と思ってたら日本も保有していたと知り驚きました。しかもあっさり返り討ちにあってすぐ諦めた。日本は開戦時は世界第3位の船舶保有国だったという事と粗製乱造と酷評の戦時標準船が戦後の日本の海運と造船技術を支えたという事に驚きました。日本の船舶の無策による損害の多さに怒りを覚える。2021/04/04
tan_keikei
4
二つの世界大戦で徴用された商船たちの海戦記。ですが、華々しいものはあまりなく、徴用後悲惨な運命をたどった船の記録です。商船が辿る運命を背景や経緯を解説しながら時系列にそって記述し、一章一章は短くとも、非常に濃密です。戦時ならではの積荷（ＴＮＴ火薬など）による事故（ハリファックス市街壊滅、横浜港大爆発、インド・ボンベイ大爆発）や空襲による船団の壊滅なども網羅。沈没・爆発の要因なども詳しく分析しているので、さながら海戦版の失敗１００選のようでした。2014/10/14
しいかあ
0
戦記とはいうものの、ほとんど一方的にやられて沈没するエピソードばかりなのでだんだん気が滅入ってくる。2016/04/05
