内容説明
その生涯に二度「敗戦」の悲哀を味わった風雲児柴五郎―十歳のとき会津落城を、そして八十八歳のとき陸軍の最長老として大日本帝国の敗北を…。政治小説「佳人の奇遇」で文名を謳われた柴四朗を兄に持ち、北京篭城戦でその名を世界にとどろかせ、賊軍の出ながら大将にまで昇りつめた波瀾万丈の足跡を辿る。
目次
第1部(会津武士の子;鳥羽伏見の戦い ほか)
第2部(斗南の飢寒地獄;青森県給仕に出世 ほか)
第3部(父との別れ;渡清・福州に向かう ほか)
第4部(「義和団」の地鳴り;北京篭城計画 ほか)
第5部(日露開戦;南山から奉天戦へ ほか)
著者等紹介
村上兵衛[ムラカミヒョウエ]
大正12年、島根県・浜田に生まれる。広島陸軍幼年学校、陸士卒(57期)。近衛歩兵第6連隊旗手を経て、陸軍士官学校区隊長で敗戦。戦後、東大独文科卒。三浦朱門。阪田憲夫らと『新思想』(第15次)によって創作活動。短編集に「聯隊旗手」がある。昭和31年、「戦中派はこう考える」を中央公論に発表する。以後、主として評論およびノンフィクションの分野で活動。平成15年1月、歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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