内容説明
陸軍は慰安婦、海軍は特要員―。存在も、生死も、闇のなかに閉ざされたままの女たちを追いつづけ、現地取材を重ねた執念の紙碑。
目次
慰安婦と呼ばれた女たち
獣の群れ
殺戮の街
聖戦の美名
悲苦の十字架
屈辱の涙
一旗商人
天皇の軍隊
狂気の戦場
朝鮮楼王
兵隊女房の戦後
虹のかなたに
南の雲影
トラジの花
泥の軛
炎の島
密林の墓標
花の名は花嫁の涙
性囚
玉砕の運命
孤島で
岐路の海
ある慰安婦の叫び
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
井戸端アンジェリか
11
.....。兵用備品、戦場用物資、軍需品だとさ。虚偽だの捏造だの売春だの強制連行だの、そんな事は私にはわかりません。当事者にしかわからないし語れない。 でもね想像してごらんよ、毎日毎日ひとりで100人近い兵士の相手をさせられ、アソコが真っ赤に腫れあがり熱のため眠る事もままならない状況を。2015/08/12
YUTAKA T
2
多くの日本人慰安婦からの聞き取り調査や文献資料をもとにして書かれたであろう秀作。慰安婦も悲しいし、そのもとである遊郭も悲しいが、いろいろな出来事がそれぞれのところで起こっていたんだなあ、ということをあらためて感じさせてくれる。ちなみに日本最大の私娼窟であった玉の井の組合長、国井茂が1937年11月20日に陸軍省から出頭命令を受けて行ってみたら、中国大陸で慰安婦が必要だから、慰安婦を集めて戦地へ運んでくれと頼まれたという証言は、この本ではじめて読んだ。2009/08/03