内容説明
日独伊三国同盟の下、ヒトラーの恫喝と圧力をはねのけて、数万人のユダヤ難民を、飢餓と凍死から救い、みずからはついに悲劇の孤島アッツ、キスカ方面軍司令官となり、「太平洋戦争最大の奇蹟」を演出した日本陸軍異色のヒューマン将軍樋口季一郎の波瀾の生涯を活写する感動の人物伝。
目次
第1章 ゆるぎなき決断
第2章 せまりくる危機
第3章 アッツ守備隊の最後
第4章 流氷の海の彼方に
第5章 凍原に日は落ちて
第6章 占守島を血に染めて
終章 はるかなるアッツ
感想・レビュー
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しんさん
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再々読。8月15日の終戦日に、ソ連が千島・南樺太侵攻を発令、18日に占守島に上陸開始。21日迄の戦いでソ連兵の死者2,000名、戦傷不明者2,000名。日本軍の死者600名。樋口季一郎中将の断固たる反撃命令が無かったら、北海道はソ連に占領され日本は南北分断だったろう。この「占守島の戦い」と2万人のユダヤ人を救った「オトポール事件」は中学・高校の歴史で取り上げ流布されるべきである。 何度読んでも終章の80歳での「アッツ島玉砕雄魂の碑」参加の顛末には涙するし、愛馬「連蕾」の恩返しには心が洗われる。2024/01/08