内容説明
アメリカを語る際に必須の基礎知識を幅広く網羅しつつ、現代アメリカの動向を読み解くための歴史的視点をわかりやすく提示する、待望のアメリカ論。評判の授業の講義ノートをこの一冊に凝縮。
目次
序論―現代アメリカの見取り図
アメリカという「物語」―ピューリタニズムのレトリック
独立宣言と合衆国憲法―その理念と問題点
「アメリカのアダム」―文学にみるアメリカの文化的独立
「連邦」対「州権」―奴隷制度と南北戦争
「開拓」か「侵略」か―フロンティアの神話と現実
競争原理と公共の利益―アメリカン・ドリームの光と影
正統と異端―ファンダメンタリズムと100%アメリカニズム
恐慌から冷戦へ―第二次世界大戦と合衆国
分裂する超大国―1960年代の精神風土とベトナム戦争〔ほか〕
著者等紹介
鈴木透[スズキトオル]
1964年東京生まれ。慶応義塾大学文学部、同文学研究科英米文学専攻博士課程修了(1992)。現在、慶応義塾大学法学部教授。専門はアメリカ文化研究、アメリカ文学
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感想・レビュー
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Shori
1
アメリカの歴史を、統合と多元化のベクトルを基軸に幅広くカバー。03年刊行だが、アメリカのアイデンティティという課題は未だ残っている。欧州やソ連という他者を失って行き着く先は、オバマ→トランプ期間を経ての党派対立の先鋭化。または中国との関係が新たなまとまりを産むのか。2021/10/31
atyang
1
恐ろしい本です。そんなに分厚くはないのですが、植民地時代から現代までのアメリカ史を概観しつつ、目からうろこがぽろぽろ落ちる本です。何度も何度もじっくりと読んでいきたい本です。参考図書紹介も充実してます。2013/04/15
vladimir0315
1
注目するべき点はピューリタンの倫理観がアメリカという国家を形成するうえで大きな役割を果たしてきたというところだ。‘ジェレマイアッド’の説明はその倫理観を簡潔に説明していたし、‘ケガレ’のない子供と汚れた大人=ヨーロッパ諸国というアナロジーがアメリカの文化観とどう組み合わさっているのかを説明している。本書は単なる歴史書にとどまらない、文化的背景も十分に叙述しており、アメリカ研究入門の良書であろう2013/04/12
おしのび
0
アメリカ文化・社会・歴史を包括的に論じており、かなり勉強になった。もちろんこぼれ落ちている要素もたくさんあるのだろうが、それでも、読了後にアメリカの社会構造や価値観の変遷について、かなり具体的にイメージできるようになった。2011/11/25
wtnbmrk
0
バイブル。原点。今のわたしのアメリカに対する興味のは全てここから始まったと思う。2010/06/30