文人外交官の明治日本―中国初代駐日公使団の異文化体験

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文人外交官の明治日本―中国初代駐日公使団の異文化体験

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  • サイズ A5判/ページ数 272p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784760117291
  • NDC分類 222.06
  • Cコード C3021

出版社内容情報

アヘン戦争以後、西洋式の外交政策を取り始めた清国は、明治10年、日本に初の駐日公使団を派遣した。赴任地日本で異文化と遭遇し、白国の伝統との狭間で揺れ動く文人外交官たちの姿を通して、異文化理解の行程を探る比較文化論。

 序
第1部 公使団の派遣
 第1章 公使団員の使命感
   1 使節派遣の論議
   2 公使団員の外交認識
 第2章 公使の利義観
   1 「必ずしも利を曰わん」
   2 「食を足らしめる」
 第3章 維新の美談
   1 国書の奉呈
   2 服制の改革
第2部 公使団員の文人気質
 第1章 日本美の発見
 第2章 桜文化論
   1 花見の宴
   2 「櫻花歌」
 第3章 風流逸話
   1 文人の「雅興」
   2 「薄倖詩」
   3 好色と好徳
第3部 外交活動の展開
 第1章 琉球交渉
   1 強硬策の提示
   2 反対の見方
   3 利と義の思惑
   4 狭間での苦闘
   5 自強の目覚め
 第2章 琉球交渉の裏側
   1 「興亜会」との関係
   2 王韜への影響
 第3章 公使の日本研究
   1 条約改正への関心
   2 「鴉片」談議の触発
   3 利義観の更新
 第4章 朝鮮論の提出
   1 朝鮮問題談議
   2 外国の影響と朝鮮論
   3 朝鮮論の内実
   4 清韓筆話
第4部 『日本国志』の世界
 第1章 異文化理解の苦闘
   1 東来の法
   2 「未だ著さざるの書」
 第2章 日本研究の展開
   1 『日本国志』の着手
   2 地図事件
 第3章 外交内政の研究
   1 奇なる国
   2 「物極めて必ず反す」
   3 「交隣に大益あり」
   4 平等外交の希望
 第4章 経世済民の論
   1 「我が手もて吾が口を写さん」
   2 西法に倣った官職
   3 富国の策
 第5章 学術文化観
   1 西学の流弊
   2 伝統文化の尊重
   3 「千秋の鑑、吾妻鏡に借る」
 結び
 文献一覧
 何如璋・黄遵憲略年表
 あとがき
 索引

内容説明

明治10年代の日本で異文化と遭遇し、自国の伝統との狭間で戸惑い苦闘した清国外交官たち。何如璋、黄遵憲らの詩文、外交活動、日本研究を通して異文化理解の行程を探る中国と日本、そして東洋と西洋の比較文化論。

目次

第1部 公使団の派遣(公使団員の使命感;公使の利義観 ほか)
第2部 公使団員の文人気質(日本美の発見;桜文化論 ほか)
第3部 外交活動の展開(琉球交渉;琉球交渉の裏側 ほか)
第4部 『日本国志』の世界(異文化理解の苦闘;日本研究の展開 ほか)

感想・レビュー

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残留農薬

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清末外交官の漢詩までも史料として用いる点は凄い。彼らの伝統的な礼教の知識や倫理観の上に西洋・日本やその文化・技術への理解があったということを示す。筆者自身が『論語』等のフレーズをレトリックとして用いるのは解釈を不明瞭にし兼ねないと思う。文人外交官たちの附会論に関して、彼らがそうした経典に由来するレトリックを使用したとしても、それによって彼らが経典的な世界観を内面化したままであるとも言い難いような気がする点は、より掘り下げる必要性が感じられた。2015/11/26

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