出版社内容情報
プラトンからシェイクスピアをへて,コウルリッジ,ウィリアム・ブレイクまで…ヒエロニムス・ボッス,ルドン,ピカソなど視覚表出と文学の間隙をたどりつつ,今日にいたるヨーロッパ思潮の基層を掘削する。図版多数。
序章
第1章 創造的な視線
第2章 プラトンのミメーシス説の変遷
プラトンのミメーシス説
アリストテレスによるのミメーシス説の変奏
ロマン主義的なミメーシス説の変奏、つまり想像力説
第3章 幻想文学研究の現況と問題の所在
ツヴェタン・トドロフ
ジャクソンの『幻想―転履の文学』(1981年)
ヒュームの『ファンタジーとのミメーシス』(1984年)
第4章 14世紀の頭韻詩『真珠』と「幻想力」
S・T・コウルリッジの想像力論
アリエティの「想像力」の研究
第5章 ダンテの『神曲』と知の体系
第6章 バラッドと『ハムレット』
第7章 「クリスタベル」
内容説明
「ミメーシス」をキーワードとする西洋思潮史への果敢な挑戦。プラトンからシェイクスピアをへて、コゥルリッジ、W・ブレイクまで…。ボッス、ルドン、ピカソなどの視覚表出と文学の間隙をたどりつつ、今日に至るヨーロッパ思潮の基層を掘削する。
目次
第1章 創造的な視線
第2章 プラトンのミメーシス説の変遷
第3章 幻想文学研究の現況と問題の所在
第4章 十四世紀の頭韻詩『真珠』と「幻想力」
第5章 ダンテの『神曲』と知の体系
第6章 バラッドと『ハムレット』
第7章 「クリスタベル」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
5
神学者ラーナーの原初的経験概念を文学批評に援用した面白い試み。内省された自覚では捉え尽くせないものがそれだ。「ラーナーは、「日常のことがら」というエッセーにおいて、日々の生活の中で永遠を経験する時、つまり聖霊の働く恵みの時について深い洞察を記している。人は、超自然的なものを実際に経験していても、この経験を直接反省的には把握し難い…天国篇第33歌で歌われているダンテの幻視は…「だが今も滴っている/私の心に、得も言われぬ幻視の甘美さが」とでも表現するよりほか表現しようのない現実の直接経験、原初的経験であった」2021/09/28