出版社内容情報
第二言語習得のエラー分析を通して、中間言語分析を提唱する。学習者に対して包括的で具体的な指導の指針を引き出すことが可能になる。さらに、冠詞使用のルールの習得が不確実であることの解明にも鍵を与える。
内容説明
本書は、言語対照分析と誤答分析の欠点を補うために筆者が体系化した中間言語分析について述べたものである。中間言語分析は、ある研究対象項目の動態を、中間言語発達の全過程にわたる実験データにもとづいて追跡し、その原因を明らかにして、外国語教育の改善を目指す病理学的アプローチである。筆者は、そのモデルケースとして、本実験と5回の追試を合わせて約2800名の日本人を対象に英語の冠詞使用に関する中間言語分析を行い、言語情報処理理論と認知意味論の観点から、英語冠詞の選択原理を図式化している。
目次
第1章 理論的概観
第2章 問題・想定・仮説
第3章 実験方法
第4章 結果と考察
第5章 追試実験
第6章 要約と示唆