出版社内容情報
《内容》 糖尿病患者の動脈硬化性疾患は無症状で進行するので、虚血性心疾患や脳卒中を予防するためには、血糖値の管理だけでは不十分であり、同時に脂質や血圧のコントロールに力を注ぐ必要がある。本書は、高血圧、高脂血症などのリスク因子に対する積極的な治療を解説した実践書である。
《目次》
糖尿病患者の大血管障害予防ガイダンス
-血糖値だけを診てては危ない-
編集:山田信博
序説 糖尿病と心血管事故 山田信博
Part 1 心血管事故の脅威(疫学)
1.世界的脅威としての心血管事故の増加の実態 寺本民生
2.糖尿病の疫病的増加の実態 曽根博仁、山田信博
3.糖尿病の死因としての心血管事故の脅威 平田昭彦、富永真琴
Part 2 糖尿病における大血管障害の特徴(病態生理)
1.糖尿病における動脈硬化進展のメカニズム 石橋 俊
2.心血管事故と糖尿病発症の共通の基礎病態としてのメタボリックシンドローム 後藤田貴也
3.虚血性心疾患 小島貴彦、代田浩之
4.脳血管障害 大下智彦、野村栄一、松本昌泰
5.下肢動脈硬化症 内村 功
Part 3 早期診断のために
1.虚血性心疾患の診断手順 横山 健、代田浩之
2.脳血管障害の診断手順 大下智彦、野村栄一、松本昌泰
3.下肢動脈硬化症の診断手順 内村 功
4.メタボリックシンドロームの診断 船橋 徹
5.生化学マーカーとその使い方 山崎義光
Part 4 心血管事故をターゲットにした治療戦略
1.糖尿病
(1)糖尿病の治療戦略 吉岡成人
(2)境界型糖尿病の治療戦略 河盛隆造
(3)食事療法のポイント 佐倉 宏
(4)運動療法のポイント 清野弘明、藤沼宏彰
(5)禁煙の重要性と生活習慣改善のポイント 鈴木将玄
(6)包括的薬物療法 小田原雅人
2.高脂血症の管理
(1)糖尿病と高脂血症(管理の意義とEBM) 岡島史宣、及川眞一
(2)目標値と治療の実際 小竹英俊、及川眞一
3.高血圧の管理
(1)糖尿病と高血圧(管理の意義とEBM) 片山茂裕
(2)目標値と治療の実際 片山茂裕
4.血糖値の管理
(1)血糖管理の意義とEBM 俵本和仁、加来浩平
(2)血糖管理の目標値と実際 俵本和仁、加来浩平
5.凝固線溶系異常
(1)抗血小板療法の意義とEBM 野口輝夫、野出孝一
(2)抗血小板療法の実際 野口輝夫、野出孝一
Part 5 Q & A
(1)a 生活習慣の悪化により血糖値や血圧、脂質が上がった場合、現況の服薬を継続してもよいのですか 鈴木浩明
(1)b 生活習慣の悪化により血糖値や血圧、脂質が上がった場合、現況の服薬を継続してもよいのですか 松津詩子、寺内康夫
(2)腎障害のある場合の大血管障害の特徴と注意は 安孫子亜津子、羽田勝計
(3)神経障害のある場合の大血管障害の特徴と注意は 持尾聰一郎
(4)スタチンとフィブレート薬はどのように使い分けますか 多田紀夫
(5)高中性脂肪血症と低HDLコレステロール血症はどのように治療しますか 武城英明
(6)積極的脂質低下療法で注意することは 多田紀夫
(7)積極的血圧低下療法で注意することは 相原英明、渡辺重行
(8)抗血小板療法で注意することは 野口輝夫、野出孝一
(9)薬物相互作用で気をつけるべきことは 多田紀夫
(10)糖尿病患者の飲酒は心血管事故には良いのですか 曽根博仁