内容説明
ある夏の日、ジャンヌはふしぎな“天の声”をきいた。それが彼女の数奇な運命のはじまりだった。信じる道をひるまず歩み、フランスの危機を救ったひとりの少女の物語。
著者等紹介
プール,ジョゼフィーン[プール,ジョゼフィーン][Poole,Josephine]
1933年、ロンドンに生まれる。BBCラジオ放送勤務の後、1961年に最初の作品A Dream in the Houseを発表。その後、ティーンエイジャー向けの作品、テレビドラマの脚本などを手がけ、高い評価を受ける
バレット,アンジェラ[バレット,アンジェラ][Barrett,Angela]
1955年、イギリス・エセックス州に生まれる。王立美術大学など3つの大学でイラストレーションを学ぶ。在学中からイラストの仕事を始め、高い評価を得る
片岡しのぶ[カタオカシノブ]
和歌山生まれの岩手育ち。国際基督教大学教養学部卒業。翻訳工房パディントン&コンパニイを夫と共同主宰
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
103
この絵を書いた、アンジェラ・バレットという人は知りませんでした。非常にきれいな落ち着いた色合いと躍動感あふれる感じの絵です。ジャンヌ・ダルクというとすぐ映画のミラ・ジョヴォビッチを思い出してしまうのですがこの絵では普通の少女として描かれています。いい本です。2015/09/28
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
83
ある夏の日、少女は《天の声》をきいた。髪を切り、男装に身をつつみ違う自分になった……。英仏百年戦争の悲劇のヒロイン、ジャンヌ・ダルク。600年前、英国人に魔女として恐れられ19歳の生涯を閉じた一人の女性の生き様を、英国人画家のアンジェラ・バレットさんが美しい物語に仕立てました。2004年10月初版。 2015/09/04
きりこ
39
余りにも有名なオルレアンの少女の悲劇。点描画のような表紙が気になって手に取りましたが、中の挿絵がさらに美しいのです。タペストリー風であったり、絵画のようだったり、細部まで丁寧に描かれてとても惹かれる絵でした。草を蹴り上げ走り抜ける馬の躍動感や息遣いが聞こえそうな迫力。絵を担当したのはアンジェラ・バレット。文を書いたのはジョゼフィーン・プールというドラマの脚本家。フランスの救国のヒロインの話を英国人が手がけているのですね。素敵な絵本でした。 → 2014/01/05
小夜風
25
【図書館】絵がとても美しい。本当にいた人なんですね。伝説の中の人物みたいに思えます。普通の少女の言うことを信じる人々がいたこと自体が驚き。信じられるようになった経緯があったのかもしれませんが、この絵本ではそこまで理解は出来ないみたいです。無宗教の日本人の自分からすると、新興宗教みたいでやっぱり怖いかな。2015/05/09
たまきら
18
美しい挿絵にうっとりしつつも、一人の純粋な少女と、彼女をまつりあげ利用する政に胸が痛んだ。若者の清らかな盲信は、いまも世界中で利用されている。時に地獄を作り出すその一人一人がある意味聖人なのかもしれない。2016/06/02