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出版社内容情報
ノンフィクション 10歳から大人まで
自由とは何か? 生きるとはどういうことか? 二人の黒人作家・画家が描く衝撃的な画文集。「これほど怒りと悲しみに満ちた人間の顔があるだろうか。首と手足に鎖をつけられた黒人奴隷の姿に、私の目は吸いつけられた」(読売新聞)。「ここにあるのは過去を受け入れ、もっとニュートラルな立場で、人間としてあるべき姿を追求する真しな姿勢である。人として何が正しいことなのか。新しく確かな充実を心に刻みこむ一冊!」(神戸新聞)。
全国学校図書館協議会選定図書、日本図書館協会選定図書
内容説明
三十年ほど前、私は、『奴隷とは』を書いた。この本では聞き書きによって大量に残された奴隷の話を引きながら、奴隷制度の実態を語った。その後書いたふたつのフィクションでも、実話をもとに、奴隷として生きた人々の思いを語りつづけた。だが、ロッド・ブラウンの絵を見たとき、まだまだ書くべきことがある、という強烈な思いにゆさぶられた。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つくよみ
98
図書館本:アフリカから無尽蔵の資源の如く集められ、三ヶ月もの地獄の航海を生き抜いた先で、家畜同然の所有者の財産として売買され、無料の労働力として扱われ、役に立たなくなったり、反抗すれば容赦なく処分された、黒人奴隷達の歴史を教えてくれる作品。特に、奴隷船内で行われた事は、同じ人間の所業かと疑い、憤りを感じた。黒人達の表情が、台詞よりも雄弁に彼らの心情を語っているような絵が「凄い」の一言。大昔に奴隷が解放され、黒人系の米国大統領が誕生するまでになっても、人類の歴史の暗部として語り継がれなければならないと思う。2014/06/28
ゆみきーにゃ
89
《図書館》絵がリアルで怖い。昔は当たり前に奴隷制度があった現実を突きつけられる。こんな酷いことを人間同士が行っていたとは信じられない。2020/01/09
里季
68
絵が素晴らしい。奴隷たちの表情が特に。恐怖、怒り、恨み、不安、・・・。また3か月にもわたる航海。奴隷たちをまるで穀物か酒樽のように棚に並べて鎖をつないで「輸送」する絵を見たときの衝撃。子供向けの書架にあったが大人にも読んでほしい本だった。この本を紹介して下さった読友さんに感謝。2014/06/01
chimako
68
[読友さんの感想から] アフリカから何百万という人々が奴隷として連れてこられたという事実は知っていた。酷い仕打ちで亡くなった人達も多かったという事も知っていた。しかし、それは見聞きしてただの知識としてだけ。輸送船の中、いったいどうやって3ヶ月を過ごして港に着いたのか。どうやって売られたのか。売られた先でやっとの出来た家族をまた売られる辛さはどんなものだったのか。「もし私が奴隷だったら」などと考えたことはなかった。表紙の彼は命がけの逃走を決断したのだろう。彼の幸運を祈る。まずは本を開いてみて欲しい。2014/05/30
ころりんぱ
57
絵の力が凄いんです。黒人奴隷の一人ひとりの表情に悲しみや痛みや怒りや絶望を感じる。見るだけでなく読むだけでなく、あなたがもしこうだったら…っていう問いかけが、ページを捲る手を止めるんです。歴史認識の甘さを痛感しました。憲法前文の「専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において…」ってあれを思い出しちゃって。あとがきの「いかなる理由、事情があっても、強者が弱者を差別、支配、搾取することがあってはならない。」の強いメッセージを受け取りました。上手に感想まとめられない(°_°)2014/05/30