内容説明
安全保障とは、主に国家間の軍事的脅威に対処することを意味した。しかしここ１０数年、脅威の対象を拡げ、国家破綻やサイバー・テロ、さらには環境破壊や過度の輸出攻勢までも安全保障に取り込む動きが台頭した。安全保障概念の歴史を辿るとともに、新思潮の是非を検証する意欲作。
目次
第１章 安全保障概念の歴史的再検討
第２章 「新しい安全保障」の総体的分析
第３章 人間の安全保障―主権国家システムの変容とガバナンス
第４章 環境安全保障―拡散する概念
第５章 経済安全保障―ゼロサム・ゲーム思考の限界と弊害
第６章 情報安全保障―喫緊の課題
著者等紹介
赤根谷達雄［アカネヤタツオ］
筑波大学社会工学系教授。主要著作は、『日本のガット加入問題―《レジーム理論》の分析視角による事例研究』（東京大学出版会、１９９２年）。研究テーマは、核兵器不拡散体制、対人地雷禁止レジーム、化学兵器禁止条約などの比較研究
落合浩太郎［オチアイコウタロウ］
東京工科大学工学部助教授。主要著作は、『改訂日米経済摩擦 全体像を求めて』（慶応義塾大学出版会、１９９４年）。研究テーマは、経済制裁
中西寛［ナカニシヒロシ］
京都大学大学院法学研究科助教授。主要著作は、「総合安全保障戦略の再構成」国分良成編『日本・アメリカ・中国―協調のシナリオ』（ＴＢＳブリタニカ、１９９７年）。研究テーマは、国際政治思想、日本の安全保障政策
栗栖薫子［クルスカオル］
神戸大学国際文化学部助教授。主要著作は、「欧州の人権・民主主義レジームと紛争予防」吉川元編『予防外交』（三嶺書房、２０００年）。研究テーマは、国際制度論、ヨーロッパの安全保障
中沢力［ナカザワツトム］
東京大学大学院総合文化研究科国際関係論専攻博士課程修了。主要著作は、「科学技術と国際政治理論」中原喜一郎・青木一能編『国際政治の理論』（東海大学出版会、１９９７年）。研究テーマは、グローバリゼーション論、情報通信技術（ＩＴ）革命下の国際関係
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