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ペルーを知るための62章

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  • サイズ B6判/ページ数 354p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784750318400
  • NDC分類 302.68
  • Cコード C0336

出版社内容情報

南米最大の帝国を築いたインカをはじめ数々の古代文明が花開き、その多くが今日世界遺産として人々を魅了してやまない神秘の国ペルー。6000メートル級のアンデス山脈から熱帯アマゾンまでと地理的にも変化に富んだ国の魅力を余すことなくお伝えする。

 1 最初のアメリカ人からインカまで

第1章 アンデスの自然と古代文明…文明を生み出した多様な自然環境
第2章 最初のアメリカ人…アジアからアメリカへ
第3章 採集狩猟時代…変化する自然環境への適応
第4章 農耕と牧畜、漁労の登場…文明形成の基盤
第5章 神殿の誕生…形成期初期の社会発展
第6章 形成期の神殿と社会…神殿更新と社会発展
第7章 多様な地方文化の時代…モチェとナスカ
第8章 神殿と都市…ティワナクとワリ
第9章 近づく帝国の足音…地方王国の拡大
第10章 インカ帝国の成立…インカの神話的世界
第11章 帝都クスコの整備とインカの世界観…双分制と三分制
第12章 インカの地方支配と経済システム…インフラ整備と租税

 2 征服、独立、国民国家への道

第13章 スペイン人の到来…征服者フランシスコ・ピサロ
第14章 カハマルカの戦い…インカ帝国の制圧
第15章 スペイン植民地支配の確立…征服者どうしの争い
第16章 ビルカバンバの新インカ帝国…マンコ・インカからトゥパック・アマル一世まで
第17章 ポトシ銀山と先住民社会の変容…副王トレドの大仕事
第18章 植民地時代のリマ市…れた一〇年」…民主主義の幕開けと古い政党政治
第32章 センデロ・ルミノソの台頭…萎縮する市民社会
第33章 日系人大統領の登場…フジモリの新自由主義革命
第34章 資源開発型経済の光と影…「黄金の台座に座った乞食」を脱することができるか
第35章 フジモリ政権と一変した日本との関係…「日本カード」は活かされたか
第36章 革命政権の末路…フジモリの日本亡命
第37章 トレド政権と「可能なペルー」…信頼感の低下に悩む初の先住民系大統領

 4 自然環境とその利用

第38章 多様な環境…高地は住みにくいか
第39章 ジャガイモとトウモロコシ…ペルーの主作物
第40章 アンデスのラクダとユニークな牧畜…搾乳をしない、定住的牧畜が成り立った理由は?

 5 多様な人種と文化

第41章 多様な人種構成と自然環境…コスタ・シエラ・セルバ
第42章 インディオとは誰か?…文化としての人種
第43章 「魂の征服」…カトリックの布教とワカ信仰
第44章 フォーク・カトリシズム…聖人崇拝とバラヨック
第45章 アンデスの先住民族宗教…山の神信仰とパチャママ
第46章 奇跡と巡礼…コイリュ・リティ
第47章 征服制連行・戦後の再出発
第61章 現代における日系人のプロフィール…世代構成・職業構成・イメージ
第62章 日本社会と日系ペルー人の新しい関係…移民とデカセギ

各章の理解を深めるための参考文献
索引

(編者以外の執筆者)
関雄二/高橋均/遅野井茂雄/山本紀夫/稲村哲也/杉山晃/山脇千賀子

 ペルーは南アメリカに位置する。アンデス山脈が縦断していることから、太平洋岸、アンデスの山岳部、アマゾンと多様な環境に恵まれ、資源も豊富な国である。そこでは、インカ帝国をはじめとする様々な文明が栄えてきた。コロンブスによる新大陸「発見」後にスペインによる植民地支配を受けたことで、先住民族、黒人、白人の血と文化が混淆した。独立後は中国や日本からも移民たちが渡ったことから、人種的にも文化的にも非常に多様である。このような重層性、迷路に入り込むような複雑な奥深さが、ペルーの魅力ともなっている。
 ペルーという国の名をきいてどんなイメージが浮かぶだろうか。遥かなる古代文明、マチュピチュ遺跡やナスカの地上絵。フォルクローレの名曲「コンドルは飛んでいく」のメロディー。素朴で自然と共生するインディオの人々。あるいは第三世界、発展途上国、貧富の差。MRTA(トゥパック・アマル革命運動)による日本大使公邸占拠事件があったことから、ゲリラやテロなどの暴力のイメージ、等々が交錯するかもしれない。
 ぺルーと日本との時差は一四時間。日本が夜の頃ペルーではようやく同じ日の夜明けを迎える。日本が真夏の季節、ペルーは真冬となる。飛行機も家族で移住している場合が多いので、日本で生まれ育った子供たちも増えており、確実に私たちの隣人となりつつある。ちなみにこの「デカセギ」という単語は外国語の文献にも登場するようになっている。(後略)

はじめに 細谷広美

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

cronoq

1
ペルーについての、簡単な入門書。歴史、社会、文化などあらゆるジャンルを網羅しているので、前提知識無しでも読みやすい。独立の経緯や独立後の太平洋戦争での混乱、80年代の「汚い戦争」とフジモリ時代について、知らないことも多く、非常に参考になる。この本で基礎知識を身につければ、もう少し専門的な本も読みこなせるようになるかも。いろいろと、またペルー関係の本を探して読んでみようと思った。特に、バルガス・リョサの本は必読かも。何故、彼が大統領になろうとしたのか、知りたいと思った。2011/08/11

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