出版社内容情報
2000年3月、社会労働党から保守党に政権交代したスペイン。若者の政治離れ、バスクやカタルニア地方で強まる民族独立問題など複雑な問題を抱えながらスペインはEUの中で、どのような道を進もうとしているのか。現代スペイン社会の実像を活写する。
はじめに
1 国民党政権の登場――広がる政治的無関心
第1章 国民党のプロフィール――イデオロギーを嫌う現代のスペイン人
第2章 国民党を大勝させた原因――豊かになった人々に広がる政治的無関心
第3章 バスク民族党とETA――国民党政権成立からエルムアまで
第4章 エステーリャ協定――民族自決とバスク独立の準備工作
第5章 二〇〇一年バスク州議選――存在感をアピールした統一左翼
第6章 ETAと警察事情――対立する国家警察とバスク警察
第7章 外国人法――移民とスペイン人の平等を宣言
第8章 外国人労働者と差別――EUで最も差別の少ない国はどう変わるか
第9章 司法事情
第10章 大学改革
第11章 国民党の大学政策
第12章 義務教育をめぐる問題
第13章 文化政策
第14章 雇用政策
2 変わりゆく伝統――風俗・習慣
第15章 国旗――イデオロギーの変遷によって二転、三転
第16章 国歌――君主の威徳をたたえ栄光を祈る
第17章 フランコ時代の男女交際
第18章 初聖体拝領
第19章 スペイン人の命名法
第20章 一月六日(東方の三賢人の日)と玩具
第21章 クリスマスと消費
<多様なライフスタイル――変わるものと変わらないもの
第37章 EUの中のスペイン――ライフスタイルの比較
第38章 ボランティア活動――高齢者の幸せ探しの旅
第39章 在宅介護サービス――ヘルパー不足で希望者の四割は順番待ち
第40章 特養老人ホーム訪問記――二〇二五年には人口の二二%が高齢者
第41章 オリーブオイルとアイデンティティ―
第42章 パン
第43章 地方料理とスペイン料理
5 多民族国家の縮図――文化・教育から考える
第44章 セルバンテス・インスティテュート――スペイン語の重要性
第45章 歴史教育――王立歴史アカデミーとバスク・カタルニアの戦い
第46章 「民族の日」――ラテンアメリカとの結束をはかり「大国の夢よ、もう一度」
第47章 カタルニア語と大学入試――スペイン語入試を実質上認めない大学
第48章 バルセロナの言語事情――強まるカタルニア語の存在感
第49章 カタルニア語政策法をめぐって
第50章 スペインの文化水準
第51章 コンプルテンセ大学
第52章 現代にとってのスペイン内戦の意味
第53章 スペイン内戦の文学
第54章 出版事情
第55章 新聞の歩み
6 ビー
目次
1 国民党政権の登場―広がる政治的無関心
2 変わりゆく伝統―風俗・習慣
3 現代社会の光と影―問題の構造
4 多様なライフスタイル―変わるものと変わらないもの
5 多民族国家の縮図―文化・教育から考える
6 ビーバ・アンダルシア―照りつける太陽と情熱の地
著者等紹介
野々山真輝帆[ノノヤママキホ]
東京外国語大学卒業。イリノイ大学博士課程修了後、ハーバード大学に学ぶ。1995年、イサベルカトリック女王勲章受賞。スペイン文学・現代史専攻。現在、独協大学教授。筑波大学名誉教授。『スペイン内戦』(講談社、1981年)で毎日出版文化賞
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