出版社内容情報
現代市民社会からはじき出され路上で極貧の生活をする人々。彼らは社会の落伍者で,働く意志がないのか? フィールドワークの技法を駆使してその実態を解明するとともに新しい福祉の創造を展望する。
第一章 「生きていく場所」
第二章 「ホームレス」状態にある人々
第三章 「路上で生きる」ということ(1) 場所と移動
第四章 「路上で生きる」ということ(2) 生活必需品とその調達・健康状態・仕事
第五章 「路上で生きる」ということ(3) 路上でのつきあい・トラブルと危険・女性たち
第六章 「ホームレスになる」という経験
第七章 考察――抵抗と同調
第八章 「ホームレス」と福祉国家
内容説明
それは新宿だけではない。上野、池袋、隈田川、多摩川など都内のあらゆる駅、河川、公園に、つかの間の「生きていく場所」を求めていく人々は、増え続けている。またそれは東京だけではない。この二、三年の大阪の公園や路上は、東京を超える数の「家のない人々」のテントや段ボールハウスに占領されている。福岡や名古屋で、横浜や川崎でも、同じことが生じている。しかし都市のこれらの公共空間の「ハウス」や路上を、むろん「家」とは呼ばない。そこは彼らの「生きていく場所」ではないと、われわれの「社会」はいうのである。では、彼らはどこで生きていけばよいのだろうか。
目次
「生きていく場所」
「ホームレス」状態にある人々
「路上で生きる」ということ(場所と移動;生活必需品とその調達・健康状態・仕事;路上でのつきあい・トラブルと危険・女性たち)
「ホームレスになる」という経験
考察―抵抗と同調
「ホームレス」と福祉国家