内容説明
発掘された中世都市「草戸千軒」と世界最初の被爆都市広島。平家の厳島神社、戦国大名毛利氏、広島藩・福山藩と城下町、地域独自の歴史を辿る。頼春水らと学問、窪田次郎の活動など、芸備独特の気質と文化に触れる。
目次
1 芸備の街道を歩く(芸備の地理と風土;山陽道を歩く;石見路・出雲路を歩く―太田川をさかのぼって ほか)
2 芸備の歴史(地域社会の自立をめざして;諸地域社会の形成―近世地域民衆の生業と社会;芸備の近代 ほか)
3 地域史の発見(中世瀬戸内の港町と生活文化;「いかに生きるか」を考えて―竹原町人の学問受容;「学種」をそだてる―菅茶山と廉塾 ほか)
著者等紹介
頼祺一[ライキイチ]
1941年生れ。1968年広島大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。広島大学大学院文学研究科教授を経て、広島大学名誉教授、比治山大学現代文化学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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T-山岡
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広島県における旧山陽道(西国街道)沿線地域の通史。個人的には第二章、第三章あたりの産業史の部分が興味深く、竹原の塩田、大長みかんの生産など、産業として確立した裏の苦労を知る事が出来た事はなかなか大きかった。2017/01/12
Hisashi Tokunaga
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地方史のひとつ。その地域地方の歴史のポイントとなる地誌を広く浚って、通底する何かを探ろうとする意図で編纂されてるようだ。とりわけ興味を引いたのは、1891年(M4)廃藩置県に伴う旧芸藩主浅野氏、旧福山藩主阿部氏の上京命に対して、それを押しとどめる地元民衆の動きが安芸真宗門徒とも絡み、武一騒動という大一揆に発展したこと。そうした背景の中で、窪田次郎という傑出した人物を生み出したこと。日本中世史に画期となった草戸千軒と河口の鞆。江戸後期の神辺に生き抜いた菅茶山。宮島大鳥居が建立されたのは結構後の事だったこと。2019/05/02
さとまる
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芸備の歴史や民俗について。草戸千軒遺跡からは、当時の人々は海沿いなのに淡水魚を好んで食べていたらしい。また犬もさかんに食べられていたようで食文化が興味深い。2019/02/20