出版社内容情報
★大好評!3刷
内容説明
人はなぜ、死後、戒名を付けるのか。戒名料などに対する批判が高まる今、その原点を「改名」との関係、「居士」や「院」の意味、差別戒名などから歴史を遡りつつ考える。変わりゆく死生観と戒名のゆくえに迫る日本文化史。
目次
戒名をめぐる危機的状況―プロローグ
戒名と現代社会(戒名問題のありか;戒名の地域性と死生観;信仰を支えるもの)
戒名とはなにか、その始まりと意味(氏・姓・名字と戒名;戒名の起源説;僧位と尊称 ほか)
信者の戒名(位を示す言葉;戒名の構成;戒名・法名の選定 ほか)
どうなるこれからの戒名問題―エピローグ
著者等紹介
藤井正雄[フジイマサオ]
1934年、東京都に生まれる。1957年、大正大学文学部哲学科卒業。大正大学名誉教授・文博、日本生命倫理学会代表理事・会長、京都大学再生医科学研究所倫理委員会委員長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HANA
5
戒名の歴史から現在まで。歴史とか信士信女等の各名称までコンパクトにまとまっていてわかりやすかった。ただ現在の問題として各宗派側からの焦燥感や問題意識に割くスペースが少々少ないように感じられた。個人的に一番知りたいのはその部分なので少し残念。それでもこれ一冊あれば大体のところは押さえられると思う。2011/06/30
かっちょ
0
戒名の成立(諸説あり)から現在に至るまでの、ざっとした流れとその意義についての言及がコンパクトな量でまとめられていて分かり易い。ただし、その意義を現代においてどのような形で寺側が提示していくのかが現状では明確ではないのかな??という感想。2011/11/25
okimine_yuiki
0
伝統宗教は数百年の歴史があるのから、差別が内包されているのは当たり前の事だろう。問題はそういった負の遺産をどのように継承していくか。差別戒名に一章を割いているこの本を数年前に読み再読したが面白かった。「無縁慈悲集」の説明を読んだ時からもやもやしている事がある。当時葬儀にあずかれなかった被差別部落の人達に葬儀を行って差別戒名を付けたのならば、逆説的に差別戒名『すら』付けてない宗派は葬式すらあげておらず、しかもその件は糾弾の対象になりようがないのでは?折しも当時は公文書をシュレッダーにかけていた事が話題だった2023/05/02