内容説明
義昭は室町幕府最後の、しかも織田信長に擁立されのち追われた悲劇の将軍である。古いものと新しいものとが交替した変革の時代に、陋固としてその伝統を墨守しようとあせりつつも、ついに時代の波に押し流されて諸国を流浪する。本書は封建制度と、室町幕府の沿革から説き起し、巧みな筆致で、義昭とその周辺を追求する迫力のある好著。
目次
1 桐と二引両の網章
2 おいたち
3 青雲の志
4 室町幕府の再興
5 室町幕府の終止府
6 紀伊由良の生活
7 備後鞆の生活
8 見はてぬ夢
9 帰洛と名護屋出陣
10 死去
11 子弟と教養
12 むすび
足利将軍家略系図
略年譜