内容説明
建武の中興と足利政権の樹立に対して赤松円心の果した役割は大きかった。やがて赤松氏は播磨・備前・美作・摂津を併領する大守護となり幕府柱石の一家となったが、満祐のとき将軍義教の強圧に反撥してこれを弑逆した(嘉吉の変)。その後零落した家運が政則によって再興されるまでの転変の歴史を、地理及び文化史等の面と併せ描いて興味深い。
目次
第1 赤松円心
第2 範資・則祐・義則
第3 赤松満祐
赤松氏略系図
赤松氏略年表
参考文献
赤松氏関係播磨地図
感想・レビュー
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葉紗
2
南北朝時代から戦国時代を生き抜いた一族、赤松家の本。大河ドラマ『軍師官兵衛』にも子孫(赤松政秀)や庶流の子孫(小寺政職)が出てました。この本では、赤松を世に知らしめた円心(則村)、初期室町幕府の重鎮だった則祐、将軍義教を暗殺した満祐が主に扱われています。あまりに複雑怪奇な一族だと思います。将軍達に深く寵愛されながら(男色相手説もあり)も、将軍を憎悪し、時に暗殺してしまう人々。そんな赤松一族と足利将軍家の異様な関係を、一冊に見事にまとめたと思います。ただ、応仁の乱で暗躍した政則を深く書いて欲しかったです。2014/09/15
櫛橋光
0
赤松一族の本です。将軍暗殺の満祐までは詳しく載ってて良かったです。その後一族の復興を果たした政則、その人以外にも満政や則尚をもう少し取り上げて欲しかったかな。少々読みにくい本。2023/12/07
Oltmk
0
赤松円心・満祐の二人の赤松家の人物を通して、南北朝時代から嘉吉の乱までを描いているのだが、問題は本に載っている描写がこの時代の軍記物語などにかなり依拠しており、著者も軍記物語の描写を批判しない所など資料として扱うにはかなり不安なものがあると思う。 この手の人物研究となる書籍では史料の分析や史料批判などの記述がかなり記述が重要になってくると思うのだが…2017/05/17