内容説明
道鏡を転落せしめた宇佐神託の一件から,かつて忠臣といわれ,または藤原氏の走狗ともいわれる。しかし最近の卓絶した歴史観では,果して清麻呂を如何に評価するか。本書は,備前の土豪から身を起し,宮廷政治の優れたオルガナイザーとして新時代の開拓者となった清麻呂の風貌と生涯とを,綿密な史料調査によって跡付けられた。
目次
清麻呂の故郷
清麻呂にたいする評価
吉備の豪族たち
真備と斐太都
清麻呂の登場
道鏡事件
不遇時代
政界への復活
桓武天皇の側近勢力
清麻呂と側近グループ
和気氏と平安仏教
和気氏による文史の復興
終焉