内容説明
中世後期、人や物資の往来が盛んになり、人々が暮らしの中で感じる世界は広がっていった。村人たちは多様な情報や物品を受け入れるとともに、村の内側にも目を向け、連帯と自治の意識が芽生えてきた。それらの具体像を多面的に描く最新の研究成果九論文よりなる。また中世史研究の現状をみつめ今後を展望する網野善彦氏と編者との対談を巻頭に収める。
目次
中世史の現在
1 村落と権力(近江における戦国大名権力と村落;但馬山名氏と垣屋・太田垣両守護代家;東大寺領伊賀国黒田庄の成立事情)
2 道と流通(中世後期の山陽道;西と東の永楽銭;港津における「問」の終焉)
3 村のこころ(神と人との間にて;泉州惣墓めぐり;中世後期の作職売買に関する一考察)