内容説明
和同開珎以前の無文銀銭と富本銭の特質を再検討し、律令国家成立から平安時代の皇朝十二銭、中世の渡来銭流入に至る過程を検証。地域社会の主流であった現物貨幣にも注目し、古代社会の貨幣流通の実態と構造を解明する。
目次
研究の視角と本書の構成
第1部 日本古代における初期貨幣(古代銀銭の再検討;富本銭の再検討;初期貨幣研究の問題点―今村啓爾著『富本銭と謎の銀銭 貨幣誕生の真相』をめぐって ほか)
第2部 律令国家と貨幣流通(律令国家と現物貨幣;地域社会と古代貨幣;平安時代の銭貨流通 ほか)
第3部 古代貨幣から中世貨幣へ(「平安貨幣」としての絹;説話からみた「平安貨幣」―『今昔物語集』と『宇治拾遺物語』の説話の比較から;皇朝銭の終焉と渡来銭のはじまり)
古代貨幣流通の展開過程
著者等紹介
三上喜孝[ミカミヨシタカ]
1969年東京都に生まれる。1992年東京大学文学部卒業。1998年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学、日本学術振興会特別研究員。2000年山形県立米沢女子短期大学講師。現在山形大学人文学部助教授、博士(文学)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。