内容説明
アメリカにおける60年代が、文化史上まれにみる激動の時代であり、同時に著しい変革の時代であったことは衆目の一致するところであろう。その根底にあったのは、伝統的な価値観への反逆であり、その行為が一つの自己表現、自己発見の方法であったようだ。しかもそれは、一部エリートにとどまらず、幅広い大衆性を帯びていた。反逆の中に反知性の色彩が強くあり、それ故に大衆性をもちえたのであろう。
目次
1 プロローグ―アレン・ギンズバーグと60年代
2 冷戦のブルース―50年代の政治と文化
3 新たな感性の誕生―または50年代の解体
4 ブラック・ユーモアと歴史
5 新聞と文化とニュージャーナリズムと
6 黒人文学と黒人ナショナリズム
7 よみがえるロックの時代
8 岐路に立つ小説―実験小説作家のジレンマ