感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
3
小谷野氏のミル論収録。「ミルの主張の核心は、ある事柄が習慣であるからという理由だけでそれに従うとき人間は何の選択もなさないことになるという…その限りでそのような人は人間として劣っている。なぜなら、彼は人間のみに与えられた諸能力のどれをも自らの中に発展させえなくなるから…彼らの生活様式が多様でない限り「人々はその正当な幸福の分け前にあずかることもない」と主張」これは習慣に従う人は幸福ではないし幸福になるべきでもないということだろう。この独特の功利主義には、幸福の形態は決まっているのだという恐ろしい前提がある2022/11/11