内容説明
本叢書は、既発表の研究論文のなかから、従来の研究に大きな意味を持っているもの、あるいは新しい可能性を開拓しているものなどを選択し、各時代・ジャンル・作家・作品ごとに論集として編集し、各研究分野の、基礎的・基本的な情報を、出来る限り有効に提供することを目標としたものです。
目次
鏡花文学の基本構造
鏡花における木精とわらべ唄
泉鏡花・差別と禁忌の空間
死者の棲む山―鏡花のファミリー・ロマンス
『冠彌左衛門』考―泉鏡花の出発
『予備兵』の素材など―観念小説への道
「鶯花径」論―鏡花世界における否定の作用
〈女仙〉の生まれる時
『風流線』の構造―名詮自性を軸にして
『草迷宮』論―鏡花的想像力の特質をめぐって
泉鏡花『朱日記』論序説―〈城下を焼きに参るのぢや〉をめぐって
「南地心中」の成立過程―泉鏡花と大阪
「山海評判記」成立の背景―フォークロアの美学
鏡花と江戸芸文―講談を中心に
泉鏡花と草双紙―「釈迦八相倭文庫」を中心として
泉鏡花と中国文学―その出典を中心に
資料(泉鏡花の『海城発電』;鏡花と眉山を論ず;鏡花に与ふ;風葉と鏡花;泉鏡花と怪談;泉鏡花蔵書目録;鏡花先生の「草双紙」目録;『鏡花全集』作品人名索引)