内容説明
「人」にともなって「物」が動き、「物」を移すために「人」が動く。古代の日本列島と中国大陸や朝鮮半島との間を主な舞台として活躍した「人」には、遣唐使のような国家使節もいれば、危険を顧みず商売の品を船に満載した商人、また新天地を求めて往来する者まで多様な人びとがいる。そして彼らにともなって移動した「物」には、形を取る工芸品や書籍のようなものもあれば、技術・情報のような形を取らないものもある。本書では、海を越えて行き来した、さまざまな「人」と「物」に焦点をあてて、古代日本の、列島の外との交流の姿をおっている。
目次
「人物」の移動
1 日本律令国家の対外交流(東アジア世界への対応;律令法における世界観;対外交流のあり方 ほか)
2 東アジア国際貿易の展開と日本(外国使節のもたらす「物」;官司先買の基本方針;新羅王子金泰廉の来日と貿易 ほか)
3 海外情報と日本(「物」としての海外情報;情報の収集と管理の実例;律令国家と海外情報 ほか)
著者等紹介
石井正敏[イシイマサトシ]
1947年生まれ。中央大学大学院人文科学研究科博士課程単位修得。専攻、日本古代史。現在、中央大学文学部教授、博士(歴史学)
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感想・レビュー
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コウメ
53
難しすぎ!日本史をもう一度学んでから読んでリベンジする。百済や遣隋使、遣唐使、高句麗などの外国と日本との貿易がメインだけど、日本の当時の時代背景も知らないからついていけない。高句麗、遣唐使、隋、百済などの国の文化も知らないからただ読んだだけ、出直します。2020/08/07
あゆ
52
東アジア世界と古代の日本 高校では世界史をとったのでこの本を読んでちゃんと理解とか思い出せるかなーって思ったんですけど、まあまあ読めました!この本は難しく書かれているけど、久しぶりの言葉がたくさんでてきてちょっと楽しかったですー!2020/10/01
りー
15
2003年発行。本文95頁と短いが、600年代~1100年代までの①国家としての外交②貿易を通した外交③外交情報の行き来について、をコンパクトに解説してある。唐に冊封される立場でありながら国内ではそれを隠し、新羅や渤海には日本を「中華」とした臣従を求めるという…これは両国にしてみればアホらしい。だから大伴古麻呂の席次争いが微妙な扱いなんだなぁ。日本にどの情報を渡すかという点もシビア。則天武后により国号が変わった情報を新羅が日本側に漏らさず、日本が知って驚いた話など、興味深い話が色々あった。2020/11/03
こぽぞう☆
14
なかなかわかりやすかった。歴史に興味を持った若い子とかにすごくいいんじゃないかな。高校生ならレポート一本書けそうだ。古代の貿易とか、正史に書かれていないことも詳しく載っていた。手軽だし、歴史小説読む時に、同時代のもの一緒に読むのもいいかも。2019/10/04