内容説明
明治以来、日本がヨーロッパから学んだものは、技術中心の近代文明であった。人びとは、物質的な豊かさに達することによって精神的な豊かさを手にすることができると信じてきた。しかし、その豊かさを体験した今、人びとが手にしたのは心の荒廃であり、心の貧しさでしかなかった。今こそ私たちは、ヨーロッパの社会と文化を支えてきたキリスト教の精神に注目すべきではないだろうか。中世の修道士たちが聖書をいかに理解し、生きてきたか。その具体的な姿を時代の変化を通して描き、ヨーロッパの心を探究する。
目次
日本人にとってのヨーロッパ
1 修道士はいかにして生まれたか
2 聖ベネディクトゥスの世紀
3 クリュニー修道院
4 シトー会修道院
5 托鉢に生きた人びと
6 騎士修道会の理念と現実
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫羊
16
100ページ足らずのブックレットですが、四世紀初め頃の修道院の誕生から、六世紀の聖ベネディクト、十世紀から十一世紀の、クリュニー、シトー会、十三世紀のドミニコ会、聖フランシスコの小さき兄弟会、十字軍時代の騎士修道会までの、ヨーロッパにおける修道会の変遷がわかりやすくまとめられています。 2014/11/03
花林糖
15
(図書館本)修道院の成り立ちとその歴史について簡潔に述べられた本で、様々な会派のことがわかり易く書かれていて良かった。「修道士は3世紀後半~4世紀初にエジプトで出現」の箇所が印象的。2016/03/06
shizuca
11
修道院、想像していたより生々しい場所なのですね。権力から脱したはずが、いつの間にか権力に囚われて身動きがとれなくなる。キリスト教関係の本を読むときの参考書(入門書)になるかと思います。2015/12/16
†漆黒ノ堕天使むきめい†
3
世界史でも聞いたことのある名前が多く出てきたが、そもそも修道院について学ぶ機会がなかったので、流れが分かって良かった。 2015/08/05
ik
3
コンパクトにまとまっているのでちょっとした復習に便利2015/06/02